20分
夢小説設定
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「ああ〜…畜生。」
煙草のストックが切れた。というのも、アジトの戸棚に雨漏りがクリーンヒット。買い込んでいた数箱のストックが台無しになった。買いに行けばいい話だが、フィアットはあの野郎が乗ってっちまった。辺鄙なここからではマーケットまで1時間は歩く。そして今日は気温も低い上に雨空だ。愛しい煙と外出のかったるさを天秤に乗せたら、後者が勝る。
憂鬱と退屈でソファに寝そべっていると、かもめがニヤニヤと近づいて来た。これは何か企み事をしている時の顔だ。
「ねぇねぇ、次元。」
「どうした?」
「ここにさ、まったく偶然、まだ開けてない赤マルが一箱あるんだよね。」
かもめは胸元からわざとらしくセクシーに見慣れた紙箱を取り出した。思わず手を伸ばすと、すっと身をかわす。
「もちろん、タダじゃないよ。」
「…何が望みだ。」
「1箱20本入りだから…そうね、1本1分でどうかな? 次元の時間、私にくれない?」
「何させようってんだ俺に。」
「何もしないで。」
かもめは人差し指を口元に添えて続けた。
「私が次元に何しても、ね。20分、無抵抗無反応。ガマンできたら、この箱そっくり次元にあげる。」
「…はん、面白ぇ。乗ってやるよ。」
***