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「ヒマだな。」
次の仕事の準備がひと段落ついて、ふう、と息をついた。窓から外を眺めると、今にも降り出しそうな重たい空だった。窓からひやりと溢れる冷気に身震いする。外に出るのはよした方がいいみたいだ。でも、手持ちの本は読んでしまったし、テレビを見る気分でもないし。
ああ、私、退屈って大嫌いだ。
次元に構ってもらおうか?
次元は今、タバコのストックをおじゃんにしてしまってからふてて寝ている。その様がなんだか子どもっぽくて可愛くて放っておいたけど、手土産に壁にかけた仕事着から隠していたマルボロを出した。
顎に手を当てて言い訳を考える。とても言えない。いつでも彼に差し出せるように、いつも仕事着に一箱、こっそり忍ばせているなんて。
お互い憎からず思っているということがはっきりしてからは、戯れは増えたものの、イマイチ距離が掴めない。甘えたい気持ちはあるけど、子供扱いはされたくないし、少しでも迷惑そうにされたらと思うと、それだけで身の縮む思いだ。
一度でいいから思いっきり甘えてみたいな、なんて、煙草の箱を片手で投げてはキャッチするのを繰り返しながら、階段を降りる。ふと閃いた。これ、今、最高の餌じゃん。
悪巧みを思いついたらにやにやが止まらなくなった。まだ私たちの戯れには言い訳が必要だ。
***