おかえり
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なんだか息苦しくて眼が覚めると、布団が丁寧に体に掛けられている。あれ、と不思議に思いながらベッドから這い出すと、シャツに私のエプロン姿の、次元大介。
「よう、勝手に上がってるぜ。」
「ま、待って、何で…。」
「こういう時のために渡したんじゃなかったのか?」
次元の片手にはいつか手渡した合鍵がキラリと光る。それを渡したのはこういう時じゃなくて、次元が困った時にうちに上がれるようにだったのに。
「やだ、ちょっと片付けさせて。」
「今更気にすんな、寝てろ。」
「やだよ、次元に部屋が汚い女だって思われたくないもん。」
「ちょっと片付けて皿だけ洗ったらお望み通りすぐ帰るぜ。起きたなら何か食うか?」
次元が買ってきてくれた買い物袋の中には、冷えピタ、牛乳プリン、ゼリー、蒸しパン、スポーツドリンク。
正直弱った時にはうれしいものばかりだ。しかもプリンは私が好きなメーカーのやつ。憎らしいったらない。
ふくれっ面の私を笑って、次元は床に散らばった私の服を拾い上げた。
「そんな顔するなよ、分かってるって。たまたま具合が悪くて散らかってんだよなあ?」
「もう、意地悪。」
まるで普段の私を見通したような皮肉っぽいセリフ。くすぐったくて、悔しくって、プリンの蓋を舐めた。
「こっち向け。」
プリンに舌鼓を打っていると、不意に顎に手を添えられた。いつもの癖で目を閉じると、おでこがひんやりと冷たくなる。
「…熱っぽい顔でそんな表情すんなよ。」
「…いつもの、癖で?」
疑問符を付けて答えると、彼は呆れて頭をかいた。病は心の距離は近付けるのに、身体を遠くするのだからもどかしい。
彼に貼ってもらったことが嬉しくて、おでこのシートを撫でてみる。どんな風邪だってすぐに治ってしまいそうな、すてきなおまじないだ。私のほっぺたは、熱とはべつのもので赤くなった。
***
「よう、勝手に上がってるぜ。」
「ま、待って、何で…。」
「こういう時のために渡したんじゃなかったのか?」
次元の片手にはいつか手渡した合鍵がキラリと光る。それを渡したのはこういう時じゃなくて、次元が困った時にうちに上がれるようにだったのに。
「やだ、ちょっと片付けさせて。」
「今更気にすんな、寝てろ。」
「やだよ、次元に部屋が汚い女だって思われたくないもん。」
「ちょっと片付けて皿だけ洗ったらお望み通りすぐ帰るぜ。起きたなら何か食うか?」
次元が買ってきてくれた買い物袋の中には、冷えピタ、牛乳プリン、ゼリー、蒸しパン、スポーツドリンク。
正直弱った時にはうれしいものばかりだ。しかもプリンは私が好きなメーカーのやつ。憎らしいったらない。
ふくれっ面の私を笑って、次元は床に散らばった私の服を拾い上げた。
「そんな顔するなよ、分かってるって。たまたま具合が悪くて散らかってんだよなあ?」
「もう、意地悪。」
まるで普段の私を見通したような皮肉っぽいセリフ。くすぐったくて、悔しくって、プリンの蓋を舐めた。
「こっち向け。」
プリンに舌鼓を打っていると、不意に顎に手を添えられた。いつもの癖で目を閉じると、おでこがひんやりと冷たくなる。
「…熱っぽい顔でそんな表情すんなよ。」
「…いつもの、癖で?」
疑問符を付けて答えると、彼は呆れて頭をかいた。病は心の距離は近付けるのに、身体を遠くするのだからもどかしい。
彼に貼ってもらったことが嬉しくて、おでこのシートを撫でてみる。どんな風邪だってすぐに治ってしまいそうな、すてきなおまじないだ。私のほっぺたは、熱とはべつのもので赤くなった。
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