手のひらのウサギ2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アジトの中をうろうろさまよって、ようやく探しびとをみつけた。なんてことはない、居間でくつろいでいた。
いつもバッチリ派手なスーツを着こなす、私たちの大将は、随分とリラックスムードで、ジャケットを脱いで、ネクタイを緩めている。
「ねぇねぇ、ルパン。」
「んあ?」
「このあいだの手品教えて。」
ルパンの隣に腰を下ろした。
「このあいだのって、ウサギのか?」
「うん、ウサギの。」
ルパンはソファに座り直して、私の方に体を向けた。
「気に入ったのか?あの手品。」
「うん、とっても嬉しかったから。」
「ったく、かもめちゃんは可愛いねェ。」
ルパンは私の頭をポンポンと撫でる。
「私にもできるかな?」
「スポンジの手品は初級も初級、コツさえ掴めば、ま、誰にでも出来らぁ。ほら。」
ルパンは私の耳元からウサギを取り出した。思わず笑顔になってしまう。
「ルパンのこと好きになっちゃう女の子の気持ち、よくわかる。」
「気持ちじゃなくて、ほんとに好きになってもいいのよ。」
「まぁ。」
ルパンは私の手を取りながら、手品のタネを教えてくれた。大きくて、男らしい手だけれど、世紀の大泥棒の手は、やっぱり誰より器用だ。手品を教えてもらいながらも、その鮮やかな指さばきにうっとりする。
「う〜ん…なかなかルパンみたいにうまく出来ないな。」
「かもめちゃんの手ちっちゃいからな〜。ま、あとは話術と練習よ。あのぶきっちょの次元にだって出来たんだ。」
「次元は器用でしょ、不器用なのは生き方だけだよ。」
「なんか言ったか?」
廊下を横切る次元がひょこっと顔を出した。
「地獄耳。」
「るせーな。陰口だったら聞こえないように言えっての。」
そのまま地下室への階段を降りていく音が聞こえる。
「聞こえないようになら陰口言ってもいいのかしら。」
「…やーい、ひげもじゃ。」
「ちょっとルパン。」
「かもめちゃんも言ってみな。」
「私は別に次元に不満なんてないもの。」
「本当かぁ?」
「…本当よ。」
「あ、今の一瞬の沈黙、不満がある時のやつだろ。」
「ちっ…違うよ!」
「何だよ〜言って見ろって。俺とかもめちゃんの仲じゃなぁい。」
「ちがうってば!何もないったら、もう!」
「ヤニ臭いとかヒゲがチクチクするとか靴が臭うとかあるだろ〜。」
「…だから、陰口なら聞こえないように言えって。」
地下室から戻ってきた次元が再び口を挟んだ。調子に乗って私に馬乗りになりかけたルパンが慌てて姿勢を正す。次元はフンと鼻を鳴らして自室に戻っていった。ルパンの膝を叩く。
「…ちょっと、絶対おへそ曲げたよ今の。ルパンのせいだかんね。」
「あ?! だってかもめちゃんが次元の愚痴をすんなりいわねぇから…。」
「だーから、不満なんてないんだってば!」
「ンなこたないだろ、さっきの沈黙!」
「だから、さっきの沈黙は…。」
言い淀むと、ルパンがぐいっと顔を寄せた。
「…近いよ。」
「俺ぁ、かもめちゃんが言うまでここを離れねぇぞ。」
「わ…わかったから、少し離れて…。」
***
いつもバッチリ派手なスーツを着こなす、私たちの大将は、随分とリラックスムードで、ジャケットを脱いで、ネクタイを緩めている。
「ねぇねぇ、ルパン。」
「んあ?」
「このあいだの手品教えて。」
ルパンの隣に腰を下ろした。
「このあいだのって、ウサギのか?」
「うん、ウサギの。」
ルパンはソファに座り直して、私の方に体を向けた。
「気に入ったのか?あの手品。」
「うん、とっても嬉しかったから。」
「ったく、かもめちゃんは可愛いねェ。」
ルパンは私の頭をポンポンと撫でる。
「私にもできるかな?」
「スポンジの手品は初級も初級、コツさえ掴めば、ま、誰にでも出来らぁ。ほら。」
ルパンは私の耳元からウサギを取り出した。思わず笑顔になってしまう。
「ルパンのこと好きになっちゃう女の子の気持ち、よくわかる。」
「気持ちじゃなくて、ほんとに好きになってもいいのよ。」
「まぁ。」
ルパンは私の手を取りながら、手品のタネを教えてくれた。大きくて、男らしい手だけれど、世紀の大泥棒の手は、やっぱり誰より器用だ。手品を教えてもらいながらも、その鮮やかな指さばきにうっとりする。
「う〜ん…なかなかルパンみたいにうまく出来ないな。」
「かもめちゃんの手ちっちゃいからな〜。ま、あとは話術と練習よ。あのぶきっちょの次元にだって出来たんだ。」
「次元は器用でしょ、不器用なのは生き方だけだよ。」
「なんか言ったか?」
廊下を横切る次元がひょこっと顔を出した。
「地獄耳。」
「るせーな。陰口だったら聞こえないように言えっての。」
そのまま地下室への階段を降りていく音が聞こえる。
「聞こえないようになら陰口言ってもいいのかしら。」
「…やーい、ひげもじゃ。」
「ちょっとルパン。」
「かもめちゃんも言ってみな。」
「私は別に次元に不満なんてないもの。」
「本当かぁ?」
「…本当よ。」
「あ、今の一瞬の沈黙、不満がある時のやつだろ。」
「ちっ…違うよ!」
「何だよ〜言って見ろって。俺とかもめちゃんの仲じゃなぁい。」
「ちがうってば!何もないったら、もう!」
「ヤニ臭いとかヒゲがチクチクするとか靴が臭うとかあるだろ〜。」
「…だから、陰口なら聞こえないように言えって。」
地下室から戻ってきた次元が再び口を挟んだ。調子に乗って私に馬乗りになりかけたルパンが慌てて姿勢を正す。次元はフンと鼻を鳴らして自室に戻っていった。ルパンの膝を叩く。
「…ちょっと、絶対おへそ曲げたよ今の。ルパンのせいだかんね。」
「あ?! だってかもめちゃんが次元の愚痴をすんなりいわねぇから…。」
「だーから、不満なんてないんだってば!」
「ンなこたないだろ、さっきの沈黙!」
「だから、さっきの沈黙は…。」
言い淀むと、ルパンがぐいっと顔を寄せた。
「…近いよ。」
「俺ぁ、かもめちゃんが言うまでここを離れねぇぞ。」
「わ…わかったから、少し離れて…。」
***