手のひらのウサギ
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相棒の相棒は、即ち俺の相棒でもある。そうでなくとも、かわいい女の子がしょんぼりしているのを放っておけるほど、俺様ことルパン三世は無神経ではない。
「かもめちゃん。」
名前を呼ぶと、かもめちゃんは顔を上げた。手の中のウサギを見せる。手のひらに収まるくらいの、白くて扁平な、小さなスポンジのウサギ。
「さわってよぉ〜く調べてください。」
かもめちゃんは言われるがままにスポンジのウサギををぷにぷにと調べる。小首を傾げながらオモチャのウサギを訝しそうに調べる姿は、子猫そのものだ。
「さぁ、握って。」
冷たくて小さな手にウサギを握らせる。強く握れば折れてしまいそうな手で、なんとも言えない庇護欲に駆られる。
「魔法をかけまぁ〜す。」
拳に軽くキスをすれば、彼女の後ろで次元が唸った。
「おい。」
悔しかったら、お前もやってみな。
「さあ、手を開いて。」
細い指を開くと、手の中のウサギは2匹に増えていた。呆気にとられたかもめちゃんの手からポロリとこぼれ落ちるのを、次元が拾う。やれやれ、と体で言っているのがわかる。
「お次はこいつをな、」
次元が2匹に増えたウサギを再びかもめちゃんの小さな手に握りこませた。男の手の前だと、かもめちゃんの小さくて白いすべすべの手は、より一層綺麗に見えた。
「次元はしてくれないの?」
「あぁ?」
「魔法。」
「バカ野郎。」
間の抜けた甘いやりとりに大笑いしてしまう。相棒は口をへの字にして、
決まり悪そうにため息をつきながら、小さな拳を優しくポンポンと撫でた。
「…これで勘弁しろ。」
次に手を開くと、溢れんばかりの子ウサギが手のひらから飛び出してきた。単純な手品だが、かもめちゃんは驚いて、声を上げて笑った。
企みがうまくいって、思わず相棒とほくそ笑む。
「やっと笑ったな。」
***
「かもめちゃん。」
名前を呼ぶと、かもめちゃんは顔を上げた。手の中のウサギを見せる。手のひらに収まるくらいの、白くて扁平な、小さなスポンジのウサギ。
「さわってよぉ〜く調べてください。」
かもめちゃんは言われるがままにスポンジのウサギををぷにぷにと調べる。小首を傾げながらオモチャのウサギを訝しそうに調べる姿は、子猫そのものだ。
「さぁ、握って。」
冷たくて小さな手にウサギを握らせる。強く握れば折れてしまいそうな手で、なんとも言えない庇護欲に駆られる。
「魔法をかけまぁ〜す。」
拳に軽くキスをすれば、彼女の後ろで次元が唸った。
「おい。」
悔しかったら、お前もやってみな。
「さあ、手を開いて。」
細い指を開くと、手の中のウサギは2匹に増えていた。呆気にとられたかもめちゃんの手からポロリとこぼれ落ちるのを、次元が拾う。やれやれ、と体で言っているのがわかる。
「お次はこいつをな、」
次元が2匹に増えたウサギを再びかもめちゃんの小さな手に握りこませた。男の手の前だと、かもめちゃんの小さくて白いすべすべの手は、より一層綺麗に見えた。
「次元はしてくれないの?」
「あぁ?」
「魔法。」
「バカ野郎。」
間の抜けた甘いやりとりに大笑いしてしまう。相棒は口をへの字にして、
決まり悪そうにため息をつきながら、小さな拳を優しくポンポンと撫でた。
「…これで勘弁しろ。」
次に手を開くと、溢れんばかりの子ウサギが手のひらから飛び出してきた。単純な手品だが、かもめちゃんは驚いて、声を上げて笑った。
企みがうまくいって、思わず相棒とほくそ笑む。
「やっと笑ったな。」
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