続きは満月の夜に
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かもめがこの一味に加わってから随分経つ。もうずっと昔から一緒に居るような気がしている。
出会った頃はほとんど瘦せぎすで、顔も青白く、見ているこっちが心配になる程だったが、最近はすっかりふっくらと健康的になった。
ーー健康的になっただけなら構わない。それは喜ばしいことだ。ただ一つ頭を悩ませるのは、彼女がどんどん女性らしくなっていっているということだ。体つきは元より、仕草や身だしなみまで。
年の頃を考えれば当たり前で、寧ろ出遅れた成長を取り戻しているような風情さえあるのだが、子供のように思って接していると、不意打ちでどきりとさせられる。
香水をつけているのか、細い首筋からは常にふわふわと甘い匂いが漂い、淡いリップを乗せた唇はふっくらと濡れたように光っている。昔に比べて伸びた髪はサラサラで、念入りに手入れしてあることが伺える。
雑念を払うように湯船で顔を洗うと、つい先程までここにあいつも入っていたのだと思い出されて、より悩みは深まった。
女らしくなることも一向に構わない。ただもう、年端のいかない子供のようには思えないのだ。元より正しさに縁のない人生だが、当初の親のような気持ちから、女を見る目に変わるのは、間違っている気がしてならない。
逆上せた頭を再び甘く香る湯船の湯で洗った。
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