風邪と夕陽の逃避行
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「次元、ダメだ、早くここを出なくちゃ。」
帰ると、次元はまだ顔色が良くない。必要最低限の荷物を乱暴にセダンに積み込んだ。気に入っていたアジトだから名残惜しい。そう言えば国境張ってるっぽいこと言ってたな。どうやって抜けようか。海のルートならなんとかなるかも知れないと、支度をしながら知り合いの運び屋に電話を掛けた。次元は状況を飲み込めない様子でスーツに着替えている。
「なんだってんだ急に。」
「私たち、賞金首にされちゃったんだよ。」
車に乗り込みながらかいつまんで内情を説明する。がたつきのある道で、喋りながら舌を噛みかけた。揺れに酔ったようで、次元は帽子を深く被り直す。
「お前の運転は荒っぽくていけねぇよ。」
「こんな乗りづらい車、次元の趣味じゃなきゃ乗ってない。」
確かに具合の悪い時に私のへたっぴ運転に乗せるのは気の毒だけど、そんなこと言ってる場合じゃない。悪い予感に銃を手渡すと、彼は慣れた手つきで残弾数を確認した。
「撃てる?」
「撃つしかねぇだろ。」
そんな訳で、私のへたっぴ運転カーチェイスがスタートしたのだった。
***