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ーーー現代短編「風紀委員」ーーーー
「カカシ先生…やる気出して下さいよ」
校門を通過する人たちに爽やかな挨拶をしながら、苦言を呈した。
隣で気怠そうに立つ先生を見て顔をしかめる。
「えー、だってやる気ないんだもん」
「だもんじゃないですよ…格好だけでもいいからやってください」
「あーあ…こんなに不真面目なのになんで風紀に回されたかなぁ」
給食委員会が良かったな…と口を尖らせる。
「…そんな態度だから風紀委員の担当になったんじゃないですか」
「あぁ、なるほど」
妙に納得している。
呆れながらも、スカートが気になった生徒に声をかけた。
「おはよう。ちょっといいかな?」
「委員長おはよーう。何々ー?やっぱりダメだった?」
「うん、短すぎるかな」
スカートの丈を指差しながら言う。
「折り込んでるの?直せる?」
「この短さが可愛いのに…あ、カカシ先生助けてよー」
「んー?」
目が合えば面倒くさそうに会話に入ってきた。
「…まぁ短い方がオレも好きだけどね」
「でしょー!」
「カカシ先生!」
何を言うかと思えばろくでもない。
「ハハッ、冗談だよ。ココで直してってねー」
「ハーイ…」
規定の長さに戻った女子の背中を見送る。
「…冗談でもやめて下さい」
「ごめんごめん」
「………」
気持ちのこもっていない謝罪だ。
(あと数分の我慢……)
今日でこの挨拶活動も終わる。
人足の途絶えた通学路を見つめながら、カカシ先生に話しかけた。
「そんなに短いスカートがお好みなら、校長先生に掛け合って校則を変えて下さいよ」
決まりがなければこんな思いもしなくて済む。
仕事じゃなければスカートの長さなんてどうでもよかった。
「んー?それはダメでしょ」
「へぇ…カカシ先生でも校長先生には言えないんですね」
意外な返答に先生を見た。
「そうじゃないよ」
「じゃあどうしてです?」
目を合わせたまま私に近づき、耳元に屈む。
「誰のパンツが見られようと勝手だけど、委員長のはオレに取っといてよ」
「………」
一瞬何を言われたのかわからず固まった。
「まぁ…オレも真面目な委員長が好きだし、卒業まで待ってるね」
ご苦労さん、と肩を叩いて昇降口へと歩いて行く。
予鈴の音が聞こえて我に帰った。
(………)
この日から、挨拶運動の期間よりも長く私の心は乱れることになった。
ーーーーーーfinーーーーーー
