拍手

ありがとうございます♡
書き続けられるよう頑張ります☺︎




ーーーーー現代短編「放送委員会」ーーーーー






ーー最後は人気コーナー、リクエスト曲のお時間です。





えー、今日は…物理担当のカカシ先生ですね。




カカシ先生といえば、先週行われたミスターコンテスト!




主役の生徒達をおさえ圧巻の一位でしたねー。







候補者は生徒だけのはずなのに絶大な支持率。



去年に引き続きということで、もう殿堂入りでいいんじゃないかなーなんて思いますが…







さぁリクエスト曲ですが、


あれ?恋愛には興味がないと言っていたカカシ先生がまさかのラブソング!






教室でキャーキャー言ってる女子たちの声が聞こえてきそうですね。







それではお聞きください、どうぞ!









「………」






放送委員の予想は当たっていた。





私が受け持つクラスの女子は、昼食を食べる事など忘れて大いに盛り上がっている。









「えー!カカシ先生やっぱり恋愛に興味あるのかなー⁉︎」




「でもでも、ミスターコンのインタビューでは誰とも付き合わないって言ってたし」





「この曲めっちゃ純愛の歌詞だし、やっぱりウソだったんだよー」





「だよねだよね…!わたし諦めない!」









声を聞き流しながら、私は黙々と箸を運ぶ。








(騒がしくしてくれる……)








二ヶ月前の事が頭の中で反芻された。







期末テストの準備に手間取っていた私は、休日を返上して出勤する事にした。






慣れない出勤に忙しない朝。




うっかり愛用しているメガネを落として割った。







(あぁ…予備を買っとくんだった…)






情け無い気持ちでコンタクトを入れて家を出る。










「…誰?」







職員室で作業をしていると声を掛けられた。








「失礼な…そこまで変わらないでしょう」








誰にでも遠慮のないカカシ先生が私は少し苦手だった。








「その声って…」




「…きっと当たってますよ」




「へぇ…」







しげしげと眺められ良い気分はしない。








「…カカシ先生は部活ですか?」





「そうだけど…面倒な顧問でもやってると良い事があるんだな」





「何のことです?」





「早く眼鏡に戻しなよ?」





「言われなくてもそうしますよ」





「あと、さっさと終わらせて」





「…言われなくても」








煩わしい。



早く帰りたいに決まっているだろう。





パソコンに視線を戻す。







「偏差値上げろって校長が言ってたよ」




「…ハイハイ」






邪魔をしないでほしかった。



適当に返事をする。







「あと、オレと二人の時はコンタクトにしなよ」





「ハイハイ」





「あと、彼氏にしてよ」





「ハイハ…イ?」








手が止まる。









「……何か企んでます?」






「いや?ただ一目惚れしただけだよ」








その後も疑い続けたがなんだかんだと言いくるめられ、付き合い始めてみたものの…








恋愛経験が少ない私は今も尚翻弄され続けている。




彼は上級者向けの相手だった。







職場にはナイショと言われたが、私が恋愛に縁遠いと思われているので見事にバレてはいない。








そんな事を考えていると、ポケットから振動が伝わる。






画面を見た。




頭の中で思い浮かべていた人物からのLINEだった。







ーーーーーーーー






届いてる?オレの気持ち。


ナイショの恋にもスパイスは必要だと思ってさ。




オレの先生へ。





ーーーーーーーー











慌てて水筒のお茶を流し込む。





外を見つめる顔が少しだけ赤くなったが、生徒達の中で誰も気付く者はいなかった。







ーーーーーーfinーーーーーー

[ ログインして送信 ]