完璧な夜
夢小説設定
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その日いくつの偶然が重なったのか。
療養中の旦那の代わりに商工会の報告書を綱手様へ届けにきた事。
オレの任務が珍しく早く終わった事。
廊下で彼女が迷っていた事。
そこにオレ以外誰も通りかからなかった事…
黄昏時、オロオロしている彼女に背後から声を掛けた。
「どうしました?」
「あの、迷ってしまって……」
振り向いた彼女は、残暑が厳しい八月だというのに長袖とロングスカートを身につけていた。
すらりと長い腕の先には、薬指にシルバーの指輪が光っている。
「ご案内しますよ」
「ありがとうございます」
オレの数歩後ろを静かに歩く。
二人の足音が廊下に響いた。
「あの…カカシさんですよね?」
「よくご存知で」
「噂を耳にしますから」
「……なんだか怖いですね、悪いウワサでも流れてなきゃいいんですが」
背中越しに会話をしながら頬を掻いた。
「そんなっ、ご活躍されている話ばかりですよ」
「そうだといいんですが」
苦笑しながら振り向いた。
「ここですよ」
「ありがとうございます。助かりました」
「どういたしまして。それでは」
微笑んで去ろうとすると、慌てた声がする。
「あの、このお礼はまた…!」
「あぁ、お気になさらず」
後ろを振り向いてヒラヒラと手を振る。
社交辞令だと思ったその言葉は、翌日には現実となった。
