バッドエンドで終わらせない
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これで何人目になるだろう。
オレが知っている別れ話は、両手じゃ足りなくなってきた。
⚫︎⚫︎は男運がない。
というより男を見る目がない。
話を聞けばどうしてソイツにしたのか分からない相手を好きになって、案の定別れている。
たまに優良物件に当たったとしても、クズになっていくオマケ付きだ。
仕事柄到底のことには動じない包容力がある。
その寛容さに甘えて依存していくのだろう。
「その前の人は続いてたじゃないの」
「たった二ヶ月だけどねー」
「モテる彼氏だったんでしょ」
「そうよー」
肯定の後に彼の名がすぐ続く。
まだ未練はあるのだろう。
「…嫌われないようにしたよ。彼が好きな物は好きになったし、守ってあげたくなるような女の子を精一杯演じた」
でもダメだったんだよね…と悲し気にグラスを置いた。
「…誰が守られるって?それはムリでしょ」
反対ならまだしも…と⚫︎⚫︎を見ながら言う。
着痩せして一見華奢に見えるが、しなやかな筋肉が全身を守っている。
男が望む儚げなオーラは容易ではない。
⚫︎⚫︎は恋愛において一般人を装う作戦を取っているらしい。
それでも隠しきれない気配が滲み出るのだろう。
経験人数が多く、勘が冴えているような相手なら尚更だ。
「カカシー…アドバイス頂戴よ…」
「…やだ」
「ケチー!」
テーブルにベタリと頬をつける⚫︎⚫︎を笑いながら、またグラスを傾けた。
「だって、カカシは女の子切れたことないでしょー?」
「んー…?まぁね」
「それに皆カワイイみたいだし…」
「まぁ…そこそこね」
「…失礼なヤツ」
軽蔑の目を向けられる。
「オレは特に拘らないからさ」
「でも一般人の彼女もいたでしょー」
それはいたけど…と返した。
「もう同業で見つけたら?」
「イヤー」
「なんで」
「だって…」
そう言って口ごもる。
「だって?」
「先立たれたら辛すぎるし…」
小声になったその意図は、オレの過去を気遣ったことなのだろう。
「…大丈夫でしょ」
「でもさ……」
無言の時間に⚫︎⚫︎の優しさと不器用さが詰まっていた。
「…そうだ!カカシが紹介してよ」
「どういう事よ」
「だって、カカシの目なら確かだもん」
「……」
(あぁ…こういう鈍感な所が男運の無さに繋がるんだろうな)
呆れてしまう。
キミがそう出るならと、オレの悪戯心が燻りだす。
「…いいよ」
「え、本当⁉︎」
諦め半分だったのだろう、予想外の展開に喜んでいる。
「良い男でしょ?」
うんうんと嬉しそうに頷く。
「いいよ、紹介してあげる。その変わり⚫︎⚫︎にも頑張ってもらうよ」
「えー?」
眉間に深い皺が寄る。
「私じゃ見合ってないってこと?」
「競争率高いのよ、ソイツ」
「でも…」
「文句言うなら紹介しないよ」
「……わかった」
「オッケー。じゃあ詳しい話はオレの家でしようか」
しぶしぶ納得しようとしている⚫︎⚫︎と席を立った。
