素顔のままで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(ダメだ…時間がない…)
前夜の深酒が効いた。
部屋の明るさに目が覚めれば、時計の針は会議開始30分前を指している。
頼みの綱だった目覚まし時計は寡黙になり、いつもの場所にいた。
どうやら無意識のうちに止めていたらしい。
(あぁ…もう行かなきゃ…)
急いでベッドから起き上がれば、ズキッと頭に痛みが走る。
「痛っ……」
頭を押さえながらキッチンへ行き、水道の蛇口を捻る。
一杯の水を一気に飲み干した。
座り込みたくなる気持ちを堪えて、そのままクローゼットの前まで移動する。
会議の服装は自由だ。
普段は選ぶのが面倒で忍服を着ていたが、今日はフードがついた服を引っ張り出す。
もぞもぞと着替えると洗顔などを手早く行い、身だしなみを整え早々に出発した。
走りながら頭をまた押さえる。
「うぅ…痛いっ…」
ため息ばかりが無意識に出ていた。
到着したのは会議開始2分前だった。
(良かった、間に合った…)
ホッとしながら、フードを目深に被って入室する。
「…おはよ」
同期たちに声を掛けながら、進行役の後輩の元へ真っ直ぐ向かう。
「こんな格好でごめん…今日だけ許して」
「⚫︎⚫︎先輩?どうしたんですか?」
「化粧する時間がなくて…」
その言葉に後輩の男が興味をもったのが分かった。
チラッとフードの中を盗み見る…が、暗くて何も見えないようだ。
「分かりました、火影様にはこちらから伝えますね」
「ありがとう、助かる」
手を合わせていつもの席へと座った。
すぐに火影様が来られ、会議が始まる。
頭の中で誰かが激しくボールをついている。
内容など全然入ってこない会議に、いる必要はあるのかと勝手に苛立っていた。
「⚫︎⚫︎、どうしたのその格好」
隣を見れば、小声でカカシが話しかけてくる。
「…ほっといて」
カカシは気にも止めず絡んでくる。
「…もしかして化粧できなかったとか?」
「……」
「え…いつもしっかりメイクしてる⚫︎⚫︎が⁉︎見せて見せて!」
「煩い…」
興奮気味に隣で騒がれ頭痛が悪化する。
頭を抱えて机に突っ伏した。
「ねー⚫︎⚫︎」
フードをグイグイと引っ張る。
「やめてっ」
小声で会話していたが、周りには聞こえていたらしい。
斜め前に座るゲンマが、こちらを振り向き言った。
「カカシさんたち煩いですよ…」
その時、フードが外れてゲンマと目が合う。
(あっ…!)
慌ててフードを被り直した。
「カカシっ!」
睨みつけるが、顔が隠れているので効果はない。
「…ゲンマ見た?」
カカシがすかさず聞く。
「……」
ゲンマは無言で頷いた。
オレが見るはずだったのに…と不機嫌そうにカカシが言う。
「…⚫︎⚫︎さんって意外とカワイイ顔してるんですね」
その一言に項垂れる。
「最悪…」
自分の顔が嫌いだ。
幼少期はカワイイと言われれば嬉しかったが、忍としては必要ない。
敵にナメられないようにとアイラインは長く跳ね上げ、目元が鋭くなるように化粧をしていたのに…
(早く帰りたい…)
未だ治らない頭痛と、素顔を見られた悔しさに会議を淡々と進める前方を睨んだ。
1/2ページ
