半径1メートル
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上忍が利き手を使えないことがルールだ。
制限時間は三十分。
私たちが逃げた十秒後に追いかけっこが始まる。
「始め!」
紅の合図で三人が散る。
数分は息を潜めていられたが、すぐに気配を感じた。
(この足音は一人…良かった)
子どもたちでも束になってかかってこられると厄介だ。
(でも不味いな…ネジか)
開始前にナルトを挑発しておいたのに、手強い子が来たものだ。
(ハァ…やるか)
利き手が封じられているので印は結べないが、道具は使用できるので応戦できた。
白眼とはいえネジのことなら概ね知っている。
経験の差もあり、不利になることはなかった。
(体感時間は十分程度か…逃げ切れるな…)
私にも上忍のプライドがある。
決してタダ飯を食べたいからではない、と誰が聞いているわけでもないのに言い訳をしていた。
「⚫︎⚫︎センセー!!どこだってばよー!」
静かな森にナルトの声がこだました。
(バカッ、そんな大声で呼ぶ奴が…!)
ネジと一定の距離を保っていたが、一瞬だけ集中の糸がプツリと切れた。
その隙を見逃さず、ネジが間合いに入り込む。
(近いっ…!)
逃げなきゃと咄嗟に利き手を使いそうになり、慌てて反対の手に変えた。
(あっ…)
身体がぐらつく。
崩したバランスを立て直せなかった。
正面にいたネジの上に倒れ込む。
鼻と鼻が触れた。
身体の横についた手に体重を乗せて覆い被さらないようにしたが、何ヶ所か接触した気がした。
「ネジ、ごめん…!」
慌てて謝りながら離れる。
⚫︎⚫︎の腰からチリンと音がした。
よかった、鈴はまだ付いているようだ。
胸を撫で下ろす。
ネジを見れば黙り込んでいる。
心配になって声を掛けた。
「ネジ…大丈夫?」
「……」
無言で俯く彼に心配になる。
「え…どこか痛めた?」
ネジがゆっくり首を振る。
「どうしたの…?」
手の甲で口を押さえたネジが言う。
「…先生、オレ初めてです」
一瞬⚫︎⚫︎の頭が真っ白になった。
「え⁉︎嘘…触れた⁇」
顔を赤らめて頷くネジに対して、⚫︎⚫︎は真っ青になった。
「ご…ごめん!ネジ!」
血の気が引く。
子どもとキスを…
しかもファーストキスを奪ったなんて…
「…責任取ってください」
「え…責任って…」
戸惑いながら考える。
暫くして腰の鈴を外し差し出した。
「…ハイ」
不本意だが自分が蒔いた種なので仕方がない。
ネジも手を差し出すかと思いきや動きがない。
おそるおそる顔を見れば怪訝な表情をしていた。
「それは入りません」
「え……」
じゃあどうしたら…と悩んでいるとネジが続ける。
「オレ、こんな初めては困ります」
「…でも、時間は巻き戻さないし…」
困った表情で⚫︎⚫︎が言う。
「…オレからやり直させて下さい」
「えっ…どういうこと…っ…」
何を言い出すのだろうか。
「……そうじゃなきゃ、これから来るナルトに言いますよ」
⚫︎⚫︎は混乱していたが、ネジが冗談を言う子じゃないことは分かっていた。
「えぇ……」
ナルトの声は次第に近づいている。
この場所が知れるのも時間の問題だろう。
「っ……」
⚫︎⚫︎の心臓が鼓動を速めた。
