独占欲(ゲンマver.)
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「…お邪魔します」
「どーぞ」
わりと片付いている日でよかった。
浮つく気持ちを抑えながら、紅茶の用意をする。
今まで真剣に淹れたことなんてない。
しかし貴重な紅茶と聞けば、丁寧に淹れなければならない気がした。
(まぁこんなもんだろ…)
滅多に出さない来客用のカップとソーサーを出す。
街ですれ違った女から突然貰った、菓子屋のクッキーも添えてみた。
「どーぞ」
「ありがとう」
⚫︎⚫︎さんが器を手にして、ゆっくり口をつける。
酒が抜けてないせいか、いかがわしい気持ちになる。
「…これ美味しい」
純粋な笑顔を向けられ、オレも煩悩を振り払い笑った。
「おお、よかった」
ソファの隣に腰掛けて自分も飲んでみた。
「お、いけますね」
次に⚫︎⚫︎さんを見ると、静かに泣いていた。
「え、どうしました?」
笑顔からの突然の涙に驚く。
「…ごめんっ」
涙を慌てて手で拭っていた。
「謝らなくていいですよ」
泣き顔すら可愛いと思った。
だが、よく見れば困らせる気がして紅茶に視線を落とす。
「こんな仕事してる以上いつでも泣けねーし、今はいいんじゃないですか」
「…意外と男前だね、ゲンマ」
涙目のまま笑って言う⚫︎⚫︎に、ゲンマはやりきれない思いになる。
「意外とは余計です。それに、さっきの話だけどカカシさんとのことはいいんですか」
「…いいよ。私には隣を歩く覚悟もないし、カカシに期待するのも辛くなる」
この関係がちょうどいいんだよね、と苦しそうに⚫︎⚫︎は言った。
(どうしてこういう時に支えてやらねェんだよ…)
無性に苛立ち口走る。
「…試してみませんか」
「え?」
「オレと」
「何を?」
「だから、付き合ってみませんか」
「え…ムリかも」
「なんでですか」
「だって、ゲンマは大切な後輩だもの」
上手く交わすための苦笑いくらい、オレにも分かる。
「…テキトーにはぐらかさないでくださいよ。オレだって同じ男です」
視線を逃がさないように距離を詰める。
「出会ったときから気になってた」
今しかないと思った。
「…ねぇ、やめて」
「ずっと好きだったんだ」
「ゲンマもモテるじゃない…。私、ゲンマの隣にいる自信もないよ」
「オレがよけりゃいいだろ。誰にも文句言わせねぇよ」
「…ゲンマってそんなに自信家だったっけ」
「前から気になってた女が傷心なら、ズルくてもつけこみたいんすよ」
「ゲンマと付き合いたい子、沢山知ってるから紹介するよ」
「…おい」
話を逸らしたいのが見え見えだった。
「真剣に考えてください」
「…急すぎて困るよ」
俯く様子に、逃がすかよと思う。
「試してみましょうよ」
少し間を置いて切り出す。
「惚れさせてやります」
なぜか⚫︎⚫︎さんが笑う。
「ふふっ…」
「あっ!なんで笑うんすか」
「ごめんごめん」
またからかわれてるのかとムッとするが、次の言葉で肩の力が抜けた。
「…じゃあお試しで」
「…おう、骨抜きにしてやりますよ」
嬉しさと安堵と可愛さと…色んな感情が押し寄せる。
そっと抱き寄せてキスをした。
紅茶の香りが優しく鼻をくすぐった。
