君の昨日の誕生日
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「カカシ、誕生日おめでとう」
サーバーが椅子を引いてくれるような、少し格式の高いレストランを予約した。
久しぶりにフォーマルな装いの彼を見たが、相変わらず様になっている。
笑顔で言う⚫︎⚫︎に対し、正面に座るカカシは仏頂面だった。
「…昨日だよ」
ガラス越しに焦点を当てるのは秋晴れの里だ。
カカシが眼下に広がる景色を見ながら言った。
「うん、知ってるよ」
⚫︎⚫︎は平然と言う。
「…どうして翌日なのよ」
膨れっ面のカカシは拗ねているのだろう。
「だって…昨日は皆がお祝いしてくれたじゃない」
カカシもその対応で忙しそうだったし…と続けるが、気持ちは晴れないようだ。
「⚫︎⚫︎が来たらそんなのすぐ抜けてたよ」
(そう思ったから行かなかったんだよ…)
なんて、本心は言えずに苦笑いで返す。
「ハァ…誕生日が嫌いになりそうだ」
大袈裟にため息をつく。
最後のデザートが運ばれてきた。
冷んやりとするシャーベットを口に運びながらカカシの様子を窺う。
まだ暗い顔をしている。
最後の一口を食べ終えたカカシが言う。
「…オレのこと愛してないんでしょ」
「そんなわけっ…」
「どうだか」
「……」
去年の事を思い出す。
付き合って初めての誕生日は、一緒に温泉へ出かけた。
二人だけの時間は楽しかったし、お互いの心も満たされた。
ただ、翌日里へ帰ればカカシの誕生日を祝いたかったと周囲から非難を浴びた。
カカシには言えなかったが、二年連続で独占するほど私の心に毛は生えていない。
「…お願いだから、もう機嫌直して?」
困り顔で⚫︎⚫︎が言う。
「このあと誕生日プレゼントも一緒に選びに行きたいの…」
「イヤだね」
「ねぇカカシ…」
口も眉もへの字に曲がる。
「その露出の少ない服も気に入らない」
横目で見ながら⚫︎⚫︎のドレスを指差す。
「それは…こういうレストランだし…」
肌をなるべく出さない服を選んだ。
なんでもいちゃもんをつけたいようだ。
「プレゼントよりも、服屋からじゃないとイヤだ」
「え?」
「その服をまず着替えて」
「分かったよ…」
それで機嫌が直るのならばと返事をする。
「その次は髪結ね」
「どうして?」
纏め髪は普段と変わらないはずだが…
「誕生日デートなんだから、⚫︎⚫︎の可愛さを引き出してもらわなきゃ」
でもオレといる時だけね、と付け足す。
「……」
注文は更にエスカレートしていく。
「そのまま里を出るよ。去年は一泊だったから今年は二泊ね」
「え…待って今から?明日は任務が…」
「もうヤマトにお願いしてある」
「え……」
いつの間に…
「答えは “はい” だよね?」
目が泳ぐが、他の返答は許されないのだろう。
「……ハイ」
小さく答えた。
「うん、じゃあ許してあげる」
やっとカカシがニッコリと笑う。
微笑むカカシを見ながら、引き攣るヤマトの顔が目に浮かんだ。
こんなことになるのなら、当日のうちに少しでも会いに行けばよかった……
来年こそは上手くやるから…と、ヤマトに心の中で謝るのだった。
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