履歴書
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「書けたか?」
「まだ…」
「こっちも…」
図書館で頭を抱える忍たち。
面倒な作業にうとうとし出す者もいる。
数名が白紙の紙に格闘すること数十分。
上から言われたのは潜入する職場に送る履歴書の提出だ。
書けと言われたはいいが、各々頭を悩ませていた。
「長所と短所なんて、忍術以外のことで思いつかねェよ」
口々に文句を言う。
「就職活動なんてしたことないのにね…」
選出された⚫︎⚫︎も項垂れる。
数名の中から一人でも受かればいいようだ。
私じゃなくても…と適当に書きたくなる気持ちを抑えて紙と向き合う。
「ハァ……。そうだ、この用紙皆んなで回せばいいんじゃないですか?」
誰かが閃く。
「お、それいいんじゃないか?自分より他人の方が客観的に評価できるし」
賛同が集まる。
ごちゃ混ぜにして用紙を配りなおした。
⚫︎⚫︎も裏返されて手元に来た用紙を捲る。
(ゲンマのか…)
チラッと斜向かいにいるゲンマの顔を窺い見る。
(長所は…冷静に判断が出来る所かな)
(短所はチャラい所だけど、そのまま書けないし…)
「なーにしてるの?」
「わっ」
急に後ろから肩を叩かれて驚く。
「集中しすぎじゃないの…忍失格」
カカシが呆れた顔で見ている。
「急に驚かせないでよね…」
「それ何?」
指差す先は履歴書だ。
今回の任務の説明をするが、フーンと言うカカシからは興味があるのかないのか分からない。
「集中したいからあっち行って」
「冷たいなぁ…それに、なんでゲンマの書いてんの?」
「自分で書くのが難しいから、皆んなで交換してるの」
「あぁ、なるほど」
⚫︎⚫︎のはどこかなーと、周囲をうろうろして探す。
「あ、君ね」
どうやら探し当てたようだ。
無視してゲンマの履歴書に向かう。
「まだ何も書けてないじゃないの」
カカシが言う。
「オレが教えてあげようか?」
「え?」
困惑する後輩を気にもせず話し出す。
「長所は床上手でしょ。短所は可愛すぎる所」
空欄を指差しながらスラスラと言う。
「っ…!ちょっと!」
無視できない発言だらけだ。
ロクなことを言わない。
「あとは…自慢できることか…」
カカシがわざとらしく腕を組む。
「言わなくていい!」
⚫︎⚫︎がクナイを投げるが、目で追わずに受け止める。
「ご奉仕も上手いよ」
ニッコリと笑う。
「カカシっ!」
顔を真っ赤にして席を立つ。
聞いていた後輩を見れば耳まで赤い。
「もう私が書くからいい!」
駆け足で辿り着くと、自分の用紙を手にする。
「ごめん…自分で書くね」
申し訳なさそうに後輩に謝ると、自分とゲンマの履歴書を持って図書館を去る。
「⚫︎⚫︎どこ行くのよ、もっと教えてあげるのに」
後ろから着いてくる足音が聞こえた。
暴露された恥ずかしさと苛立ちで泣きそうだ。
「カカシなんて知らない!」
振り切るように足早になる。
「拗ねててもかわいいよ」
いつの間に追いつかれたのだろう、手を引き寄せ後ろから抱きしめられる。
「ごめん…反省するからさ」
「だって皆んなの前でっ……カカシなんて嫌いっ」
「…その顔見せて?」
頬を片手で優しく包んで向き合わされる。
「っ……!」
「あぁ、やっぱり可愛い」
満面の笑みだ。
カカシには怒っても泣いても無駄なのだろう。
「っ…もうヤダ!」
「あぁ待ってよ⚫︎⚫︎」
振り払って先を急いだ。
そんな⚫︎⚫︎の背中を懲りもせず追いかけながらカカシは思う。
(怒っている唇も、よく動く眉毛も好きだから仕方ないじゃない)
その表情で更に好きになってしまうんだから。
「謝るからさー」
「知らないっ!」
日常の中のこんな瞬間も愛しく思う。
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