戦利品
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吹き抜ける風が秋めいてきた。
「カカシ!勝負だ!」
とはいえ太陽の下に出ればまだ汗ばむ。
オレに向かって指を差すガイもまた暑苦しさでは負けていない。
「フー…今日はやめない?」
倒れちゃうよ…と長い影に目を落として言う。
背中はじっとり汗ばみ、不快感に眉をひそめる。
「こんな時こそ勝負にピッタリだろう!」
「……」
「なぁ⚫︎⚫︎!」
「…こっちに振らないでよ」
私が先にここにいたのに…とベンチに座り迷惑そうに言う。
「ハァ…じゃあ早く決めよう」
カカシが勝負はなに?と気怠く聞けば“アカデミーの外周を競争”だ!とビシッと指差し言った。
「うわ…暑い中ご苦労ね」
木漏れ日を浴び、⚫︎⚫︎が呆れて笑う。
「…それで今回のペナルティは何にした訳?」
「そうだな…」
ガイが悩みながら⚫︎⚫︎を見る。
「⚫︎⚫︎が決めていいぞ!」
「えー…目が合ったとき嫌な予感がしたんだよなー」
巻き込まれて項垂れる。
「仕方ないなぁ…」
顎に手を置き考える。
「なんでもいいぞ!」
「流石に罰ゲームは可哀想だし…勝った方に何か奢ってあげるよ」
高価な物は無しよ!と慌てて付け足す。
「オレは修行でもよかったが…」
ガイが物足りなさそうに言う。
「ふーん、それでいいんじゃない」
カカシがニッコリ笑う。
「さて、やりますか」
軽く開脚をした。
「⚫︎⚫︎、合図を頼んだ!」
「はいはーい」
スタートの声と共に二人が駆け出す。
腐っても上忍。
あっという間に見えなくなる。
(倒れなきゃいいけど…)
外周を想像すれば1分はかからない。
足を組んで二人が走って来るであろう方向を眺める。
鳴き声を聞き分けられるほどに減った蝉が、最後の力を振り絞り鳴いていた。
(これはクマゼミかな…)
気を取られていると二人の姿が飛び込んでくる。
(思ったより早いな)
目を細めてどちらが先か見極める。
段々と近づいてくる姿に集中し、目の前をゴールした方に声を掛けた。
「おつかれ、カカシ」
「ハァ…あつ…」
空を仰ぎ、服の中に風を送る。
「…さすがっ…我がライバル…」
数歩差でゴールしたガイが息を切らし、悔しそうな表情で言う。
「ガイも惜しかったねー」
それで、何がいい?と⚫︎⚫︎がカカシに問う。
「お茶?アイス?」
財布を取り出して小銭があるか見る。
「んー…そうだなぁ」
決まった?と顔を上げればカカシの顔が正面にあった。
驚いて財布を落とす。
唇と唇が触れ合った。
「んっ…!」
そのまま口をこじ開けるように舌が侵入する。
(カカシっ…何してっ…)
外周を走った時間よりも口付けの方が長い。
身体を押し続ければ、やっと唇が離れた。
ガイが顔を真っ赤にしてカカシに言う。
「なっ…!ふ、ふしだらだぞカカシっ!」
「ご馳走様」
嬉しそうにカカシが言う。
「また審判お願いね」
「っ……」
きっと、夏が来るたびに思い出す。
私たちの青春のきっかけを。
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