カサブタ
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空高く飛ぶ鳥が、シカマルの小隊が帰還したことを知らせた。
(初任務、帰ってこられたのね…)
太陽の眩しさに目を細め、胸を撫で下ろす。
里から離れた任務中の為、詳細はわからない。
恋人の特権で今すぐ駆けつけることもできる。
ただ、一人の任務とはいえやり遂げない気持ち悪さと、現場が慌ただしい最中に顔を出したくない気持ちで揺れる。
(きっと大丈夫…)
中忍の経験がシカマルよりも長い為、任務後にごたつくことは身に染みて分かっている。
恋人である前に、私たちは忍だ。
薄情だと思われようが一線を画したい。
長く息を吐き、時間が気持ちを冷ますのを待った。
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任務が終わり里へと帰れば、情報が一気に流れ込む。
初任務の悲惨さに胸を痛めた。
(今は行くべきじゃない…)
自分で乗り越える壁だ。
そこに私が必要でないことも分かる。
シカマルが会いに来るまで気長に待とうと思っていたが、その時は不意にやってきた。
「よう」
任務報告後の帰り道、普段と変わらない声でポケットに手を入れたシカマルが立っていた。
泣いたのだろう、僅かに目の腫れが残っていた。
気づかないフリをする。
「おかえり」
「ただいま」
送ってく、とシカマルが言って家までの道を歩き出す。
しばしの無言の後、シカマルが話し出す。
「⚫︎⚫︎に追いつきたくて中忍になったんだけどな…」
このザマだと苦笑する。
「…私も運がいいだけだよ」
シカマルの目を見て言う。
謙遜ではなかった。
何度も危ない綱を渡ってきた。
小隊を率いることの責任と重圧。
投げ出したい時なんて数え切れない。
でも、生まれ育ったこの里の、愛する者たちを私が守れるのなら嫌な役も引き受ける。
「大丈夫。独りじゃないよ」
押し潰されそうになる気持ちに理由をつけて乗り越えてきた。
「私も一緒に背負うから」
そっとシカマルを抱きしめれば、触れた頬から温かな涙が伝う。
(シカマルが強いのは知ってるよ…)
キズを舐め合う関係なんてごめんだ。
お互いを支え合える存在になりたい。
「…待たせたな」
「うん…」
そっと指でシカマルの涙を拭う。
任務前の不安な夜も、同じ舞台に上がるまでは弱音を吐かないと決めていた。
「…これからは愚痴も言わせてね」
「あぁ、聞かせてくれ」
大丈夫、傷は癒せる。
どんな経験も糧になる。
そっと二人の視線と唇が交わった。
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