恋の更新
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
着いたのは雑貨屋だった。
オレから何か買って欲しいのが見え見えで苦笑してしまう。
「かわいいー!」
急に語彙力が下がったかわいいの連呼。
耳から耳へ流しながら店内を一緒に歩く。
店には友だち同士やカップルが多い。
少し離れた通路に一人で来ている女性客がいた。
稀なので目立つ。
連れの女がそちらの通路へ行こうとするので、ついその客を目で追っていた。
文具売り場でメッセージカードを選んでいるようだ。
「このペンもかわいいー!」
商品に一通り目を通しながらはしゃいでいる声が横からする。
女性は選ぶのに集中しているのだろうか。
こちらの様子を気にもとめず、背を向けたままだ。
その女性客とすれ違う時、僅かに香る匂いに覚えがあった。
(⚫︎⚫︎…?)
さり気なく振り返りながら確認する。
(やっぱり…)
暗部時代、共に幾度も戦地へ赴いた。
その場限りの戦友の生死は、その後知らなかったが…
(生きてたのか…)
素顔は数回しか見たことがないが、整っている顔立ちと背格好が一致する。
纏められる程長くなかった髪は、数年の歳月の間に伸ばしたのだろう。
控えめなデザインの寄木細工の簪が刺さっていた。
声を掛けようか一瞬迷うが、一人ならまだしも横の女が邪魔だった。
この里にいるのが分かったならば、焦らずともいいだろう。
急にこの暇つぶしが億劫になり、何点かの欲しがる品を買い与えて有無を言わさず解散した。
