恋の更新
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翌日の日中は暇だったが出掛ける気にもなれず、読書に時間を費やした。
⚫︎⚫︎の事が頭をチラつき、内容はロクに入らない。
何度も同じページに目を走らせていた。
夕刻までの間ちらちらと時計を見るが、針は焦らすようにゆっくり進んでいた。
待つ時間ほど長いものはない。
やっと⚫︎⚫︎たちの待ち合わせる時間になり、集合場所へと向かった。
二人は時間よりも早く落ち合っていた。
「お待たせ、早いね」
「⚫︎⚫︎とのデートで張り切っちゃってさ」
「…違うでしょ」
呆れた声で⚫︎⚫︎が言う。
「冗談だよ、さぁいこう」
笑って男が歩き出す。
カカシも気配を悟られない距離で追っていた。
二人は雑談をしながら歩いているようだ。
ふと男の目に⚫︎⚫︎の首元でキラリと光る物が目につく。
「アレ、これって…」
男が⚫︎⚫︎の首元に触れた。
「あぁ…物に罪はないから」
男のゴツゴツした手に目線を落として⚫︎⚫︎が言う。
「言ってくれればオレもしてきたのに…」
男は指先で細いチェーンを絡ませている。
「ヤダよ、ペアでするのは」
⚫︎⚫︎が男の手をそっと払う。
「えー…でも大事にしてもらえて嬉しいな」
微笑んで男は言った。
付き合っていた時に対で買った物だろうか。
⚫︎⚫︎が物に固執しないタイプだと知っている。
暗部時代は敵の遺品だろうが身につけていた奴だ。
未練も何もないのだろうが、男はそうは捉えないだろう…
嬉しそうに男が並んで歩く。
危なっかしい橋を渡る⚫︎⚫︎にため息をついて尾行を続けた。
宝飾品の店に着く。
流石に店の中までは入れないので、斜向かいの商店を冷やかしながら待った。
もっと時間がかかるかと思ったが、意外と早く二人は出てきた。
男の手には小さな紙袋が握られている。
「⚫︎⚫︎、ありがとう」
「どういたしまして。上手くいくといいね」
「…頑張るよ」
男はぎこちなく笑った。
「うん、応援してる」
⚫︎⚫︎が優しく微笑んだ。
「もう暗いし、家まで送ってくよ」
「大丈夫だよ?私なら…」
「そんなこと言うなよ、これで最後だからさ」
食い下がる男に、⚫︎⚫︎が黙り込む。
「じゃあ…お願いしようかな」
複雑な表情をした⚫︎⚫︎の隣を男が歩く。
(こういう時の押しに弱いのも変わらずか…)
眉間に皺を寄せながらカカシも続いた。
