恋の引き算
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「美味ぇ!」
お汁粉を食べながら目を輝かせて喜ぶ。
「うん、美味しいね」
小豆の甘さもほどよく食後でも美味しく食べられた。
(一緒に来られてよかったかも)
食べながら男の子が話す。
「今日はオレすげー楽しいよ!」
「ふふ、それは良かった」
「きっとねーちゃんとだからだな」
「嬉しいこと言ってくれるねー」
直球の言葉に照れながらはにかんだ。
お茶を飲みながら、この後は土産屋に寄って解散かなと外を見て考える。
そんな⚫︎⚫︎の横顔から視線を逸らせず、素直に湧き上がった感情を口にする。
「ねーちゃん、好きだ」
「っ……」
思いがけない言葉に湯呑みを持つ手が揺れた。
「…そんなに驚かないでよ」
心外だと少しだけ口を尖らせる。
「だって……」
「そりゃ、今すぐはムリだろうけどさ…もっとカッコよくなったら迎えに来る」
ニカッと笑った。
「…楽しみにしてる」
真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる姿が嬉しかった。
これが若さ故なのは分かっている。
でも、カカシもこうだったらなと期待してしまう自分がいた。
暖簾をくぐって店を出た。
狭い路地を横並びで歩けば手がぶつかった。
「あ、ごめんね」
⚫︎⚫︎が戸惑っていると、その手を引かれる。
「…もうちょっとでお別れでしょ。少しだけだから」
「……」
恥ずかしいのか、前を向いたまま話す男の子を見る。
まだ私より背が低い彼は、じきに私を追い越すだろう。
これから素敵な人と沢山出会って、私のこともいずれ忘れてしまう。
そんな日々の中で、今日一日がせめて綺麗な思い出となるように手を振り解かずに歩いた。
そのまま数歩進むと、前方に銀色の髪が見えた。
夏の風をまとって揺れている。
「あ…」
どうしてこのタイミングで…と思わず声が漏れる。
その様子を見逃さず、機敏に男の子が反応した。
「どうしたの?」
「……」
「ねーちゃん?」
鼓動が煩い。
今更この手を振り解くこともできず、視線を合わさないようにすれ違う。
「可愛い恋人だね」
すれ違い様カカシが囁く。
思わず足が止まった。
「ねーちゃん?…今のヤツ誰?」
「あぁ…ごめん、気にしないで。行こっか」
心が闇の底へと落ちていった。
