雨の仕業
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あの日は任務の帰りだった。
正午を過ぎた辺りから雲行きが怪しかった。
夏の空を覆うように隆起した真っ白な雲。
キレイだと思ったのも束の間、里へと近づくに連れポツポツと大粒の雨が降り始めた。
土砂降りになるまで僅か数秒。
雨ならばまだ我慢できたが、氷の塊に変化されたらたまったものじゃない。
「いたたっ…」
急いで雨宿りができそうな場所を探した。
(もう少しで里なのに…)
目についた大木に逃げ込み空を睨む。
任務の報告も今日中に済ませたかったが、この様子では無理だろう。
地面に勢いよく落ちたヒョウが跳ねるのをのんびりと眺める。
濡れた草の匂いが鼻をくすぐった。
「アレ、⚫︎⚫︎じゃないの」
突然声をかけられ驚く。
「カカシ…」
「となりお邪魔しても?」
「どうぞ」
ひどい天気だねーと肩を並べて言う。
ずぶ濡れのカカシを見て、自分も水が滴っていることに気付いた。
「本当だね」
返事をしながら自分の濡れた髪が不快に感じた。
おもむろに簪を外す。
長い髪が揺れながらゆっくりと落ちた。
風に乗って届く香りに、カカシが微笑んで言った。
「⚫︎⚫︎の髪って良い匂いするね」
「…そう?臭くなくてよかった」
笑ってこたえれば、カカシが髪に触れながらそっと顔を近づける。
「好きな香り」
「……」
息遣いが聞こえる程の距離にカカシがいた。
近すぎてなんだか気まずくなる。
同期とはいえ任務以外で話すことなんて滅多になかった。
いつも飄々としているカカシのイメージと違って、低く甘い声に顔が熱くなったのが分かる。
何か話さなきゃと焦り出した。
「あのさ…」
「んー?」
「今日は何の任務だったの?」
「あー…ごめんね、それはナイショ」
守秘義務があるので深く詮索できない。
かく言う私も今日の任務内容は火影以外には伝えられなかった。
話題を間違えたと更に焦る。
お願いだから早く帰らせてと空に願った。
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