消えないで
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任務の帰り道、運良く二人きりになれた。
せっかく⚫︎⚫︎と里を抜けたのに、いつも邪魔なやつらばかりがいて鬱陶しい。
こんな時こそ恋人らしくいたいと、わざとのんびり帰りながら話しをした。
今では何の話をしていたか思い出せないが、ふと⚫︎⚫︎が話を遮って言った。
「そうだデイダラ。とっておきの場所見つけたの!」
ここから近いよ、少し寄り道していこうと⚫︎⚫︎が無邪気に言う。
しばし考えたが、まだ一緒にいられるならと誘いに乗った。
案内されて登った崖の頂上からは辺りを一望できた。
デイダラが息をのむ。
「…すげーな、うん」
「ね、気にいったでしょ?」
驚くデイダラを見て得意気に⚫︎⚫︎が言う。
視界が開け、気持ちのいい風が横をすり抜けていった。
二人で突き出た崖に腰掛ける。
任務で長く森のじめじめした匂いを嗅いでいたからか、爽やかな風の香りが気に入った。
「⚫︎⚫︎、あれ見ろよ」
デイダラが指差す方を見ると、眩しい太陽の光が目に飛び込む。
目を細めて見れば近くの雲が虹色に光っていた。
「わー!彩雲だね」
「ラッキーだな、うん」
二人で感嘆のため息をつく。
「アートだな」
「言うと思った」
「…」
黙り込むデイダラを見て、⚫︎⚫︎が口元を押さえてクスクス笑う。
「キレイだね…」
心の中で消えないでと願う。
静かに眺めている⚫︎⚫︎の横顔をデイダラが盗み見た。
長い髪を束ねた向日葵の簪が、日の光に当たって煌めく。
風が吹けば涼し気な音を立てて飾りが揺れた。
「⚫︎⚫︎の方がキレイだ」
そっと簪に触れた。
振り向いた瞬間デイダラと目が合う。
真剣な眼差しに呼吸が乱れた。
軽く息をととのえて伝える。
「デイダラと一緒に来られて良かった」
優しく微笑めば、オイラもだとかえってきた。
しばらく二人で眺めた後、デイダラが口を開く。
「なぁ⚫︎⚫︎、ここどうやって見つけたんだ?」
「んー?…偶然よ、偶然」
「ふーん…」
⚫︎⚫︎は数日前のことを思い出す。
「⚫︎⚫︎さん!ちょっとちょっと、こっち!」
「なーに、トビ?」
「ほら、ここいいでしょー!」
「わー!良い眺めだねー!」
「でしょでしょ⁉︎褒めてくださいよ!」
「ふふ、偉いねトビ」
「へへーん」
任務でトビと一緒になった時、教えてもらったなんて言ったらデイダラは怒るだろうな…
誰かと来たのは初めてということにしようと、胸にそっと秘めておくのだった。
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