盲目の光
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姉が留守の間に入浴を済ませた。
火照った身体を縁側で涼ませる。
(お姉ちゃん何してるかな)
この頃、姉が出かけていくことが増えた。
身支度をする時間が長いことから、異性と会っているのではと邪推する。
(お姉ちゃんのこと、大切にしてくれる人だといいな…)
ぼんやり思いながら、風鈴の涼しげな音に耳を澄ませて扇子でパタパタと煽いだ。
「こんばんは」
急な呼びかけにビクッと身体が跳ねた。
「…こんばんは」
声のする方に顔を向けた。
「…どちら様でしょうか?」
聞き慣れない声に恐る恐る聞く。
「あぁ…名乗る程の者でもないよ」
それが気になってね、と続けた。
(それ…?あぁ扇子のことかな)
家は代々扇子屋をしている。
簡単な作業を私も手伝って、繊細な工程は職人と姉が担当している。
一品物を売りにしているので、贈答用として喜ばれているらしい。
「この扇子ですか?」
「そうそう。見たことない柄だったから、キレイだなーって」
「 私のはボロですが、お店に行けばもっと素敵な品に出会えますよ」
男に店の場所を教えた。
「ありがとう。今度行ってみるよ」
「ぜひ」
声色から悪意は感じられなかったので、笑顔で対応する。
「じゃあまた」
「はい。また…?」
風の音と共に去っていく気配がした。
(また来るのかな…?)
不思議に思いながら、冷えてきた身体をさすり家の中へ入った。
