熱に浮かされて
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微熱が一番辛い気がする。
起床時に身体の不調を感じ、急遽任務を変わってもらった。
食欲もなかったので果物を数口食べて家にあった薬を流し込む。
ベッドから動けずに浅い睡眠を繰り返していた。
いま何時だろう…
重たい身体をなんとか動かしてトイレに起き上がる。
窓の外を見ればもう夕刻だった。
測ってはいないが熱が上がってきた気がする。
入浴は明日にまわそう。
夕飯も面倒だ…。
トイレを済ませてベッドに倒れるように横たわる。
布団を被って寒気がする身体を温めた。
(体調管理ができてなかった…情けない)
今更どうしようもないが、ふがいなさに悲しくなっていた。
遠くから微かに物音がした気がした。
それが夢か現かもわからず、ぼんやりと過ごす。
「⚫︎⚫︎ー?」
知っている声がした。
「っ…」
喉が張り付いて声にならない。
「入るよ」
慌てて近くのテーブルに置いてある水を飲み込んだ。
常温でも飲み込むと喉が痛んだ。
「⚫︎⚫︎。大丈夫か?」
「…カカシ」
いつ振りだろう。
久しぶりに会ったが何も変わらない。
「任務を交代するほどって、心配したよ」
「…カカシに変わってもらってたんだね、ごめん」
忙しいと噂で聞いていたので申し訳なくなる。
「夕飯まだでしょ?簡単に作るよ」
「えっ…ありがとう」
「寝てな」
キッチン借りるね、と言ってカカシが向かう。
ガサガサと買い物袋から食材を取り出す音がした。
しばらくすると良い香りが漂う。
⚫︎⚫︎はぼんやりとカカシの背中を見つめていた。
「できたよ」
運ばれてきたのは、温かな湯気が立つ梅入りのおかゆだ。
リンゴも小皿に添えられていた。
「ありがとう…」
ベッドから上半身を起こし、手渡されたおかゆを受け取る。
「ん…美味しい」
ほんのり出汁がきいていて、寒気がする身体にじんわりと染みる。
カカシは近くのイスに掛けた。
足を組んで頬杖をつき、優しい眼差しを向けている。
「オレって意外と役に立つでしょ」
「うん、見直したよ」
2人で微笑み合う。
「…熱の間だけ一緒に暮らしてみる?」
冗談めかしてカカシが言う。
「まさか」
間に受けないように軽く笑ってこたえた。
「だよな…。さ、片付けとくからもう寝な」
ありがとう、と言って横になった。
お腹が満たされ、幸せな気分のまま睡魔に襲われる。
カカシが洗い物を終えてベッドを見れば、寝息を立てて⚫︎⚫︎が寝ていた。
忙しくても任務を代わってよかった。
そう寝顔を見ながら思った。
起こさないように⚫︎⚫︎へ静かに話しかける。
「ねぇ⚫︎⚫︎…。熱にかこつけて押しかけちゃうくらい好きなんだけど…」
耳元で囁いてどうしたらいいんだろうね、と淋しく苦笑する。
その言葉に反応するように、⚫︎⚫︎の口元が動いた。
「わたしも好き…」
寝返りを打ちながら、また寝息を立てる。
目を見開いたカカシが、⚫︎⚫︎に話しかける。
「ねぇ⚫︎⚫︎、もう一回言って?」
もう夢の中から戻って来る気配はない。
「…」
期待してもいいのだろうか。
でも、答え合わせは今日じゃなさそうだ。
カカシは⚫︎⚫︎の髪を優しく撫で、後ろ髪を引かれる思いで家を後にするのだった。
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