幼稚な君
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「やめてー!」
「弱虫ー!逃げるなよー」
休日なのにやることがない。
昼飯でも外で食べるかと町に出た。
カカシが歩いていると、大通りで男児が女児を追いかけまわしている。
男児の手には棒が握られていた。
「やだやだ!芋虫きらい!」
「かわいいだろー!」
よく見ると、棒の先に茶色い芋虫が乗っている。
泣きそうな女児を見兼ねて声をかけた。
「こらこら。嫌がってるでしょーが」
男児の肩を片手で掴む。
「…離せよ!」
「その辺にしときなさい」
加減して力を加えれば、男児が怯む。
「っ…!」
手を振り払うと、睨みながら走って行った。
女児は男児が走っていった方向を呆然と見つめていたが、しばらくすると我に返りカカシへ頭を下げた。
ヒラヒラと手を振って笑うと、女児は安心した表情で歩いていった。
(やれやれ…)
近くの定食屋から良い香りが漂ってくる。
匂いに誘われるように店へと足を運んだ。
店は昼時ということもあり、大盛況だった。
通されたカウンターにも人がずらっと並んでいる。
腰掛けてメニューを眺めていると、声を掛けられた。
「あれ?カカシ?」
見れば、暗部時代の同期がいた。
「⚫︎⚫︎、久しぶり」
「久しぶりだねー!」
昔話に花を咲かせながら食事をした。
暫く会わないうちに、大分印象が変わった。
任務の時には束ねていた髪をキレイに下ろし、淡い化粧からは色気も感じられた。
「…キレイになったんだな」
「カカシも、そんなお世辞が言えるようになったんだね」
嬉しそうに笑う。
混み合う時間帯だったので、素早くご飯を済ませて店を出た。
このまま別れるのもなんだか名残惜しい。
⚫︎⚫︎が帰る方向に合わせて、自然と歩く。
この後どうしたらいいかと思案していると、⚫︎⚫︎が小さな悲鳴を上げた。
「きゃっ…」
隣を見れば固まっている。
視線の先を辿れば大きなカエルが鎮座していた。
「…なんだ、カエルか」
⚫︎⚫︎が急に踵を返す。
「じゃあね、カカシ」
「え…?」
「私、こっちから帰る」
「大袈裟でしょ。毒はあるけど手を洗えば怖くないよ」
ほら、と手のひらに乗せて⚫︎⚫︎に差し出した。
「やだっ…」
後ずさりして表情が強張る。
「そんなに苦手だったっけ?」
任務のときの凛々しい姿しか思い浮かばず、意表につかれる。
「本当にやめて…」
カカシを見ながら涙目になる⚫︎⚫︎に、胸の奥がゾクっとした。
「可愛いよ、ほら」
もう一方近づいてみる。
「…やだってば」
逃げ越しの⚫︎⚫︎を見れば、なぜか追いかけたくなった。
その時ハッとする。
(俺もあの子らと同類だな…)
反省するようにカエルを手放した。
「…悪かった」
「うん」
「からかいすぎたから何か奢るよ」
「いいの?ありがとう」
⚫︎⚫︎とまだ一緒にいられることを喜びつつも、男児に心の中で詫びるカカシだった。
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