空のグラス
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その夜は汚い飲み会だった。
他里の忍との交流会。
数十名の参加者たちは酒がまわり、上機嫌な者がはしゃぎ出す。
誰かがここぞとばかりに注文したお酒でテーブルは埋め尽くされていた。
(来たくなかった…)
⚫︎⚫︎は項垂れる。
男女の数が均等になるように、上からの命令で嫌々の参加だった。
何の勝負をしているのか、周囲では酔い潰れたら負けと競いあっている。
女の子の後輩たちは上手く立ち回り、男性陣をおだてていた。
やる気のない⚫︎⚫︎にも火の粉は飛んでくる。
グラスが空けば酒が注がれた。
場が白けないようにニコニコしながら飲み干せば歓声が上がる。
(あぁ、早く解散にならないかな)
心の中では冷静に、でも酔いも少しまわったのか心臓の音が響いていた。
「飲んでる?」
同世代くらいの忍が酒を注ぎに隣に座った。
「さっきから美人がいるなーって、ずっと気になってたんだよね」
「嬉しい、ありがとう」
微笑んで当たり障りのない言葉を返す。
「ねぇ…この後こっそり抜けない?」
下心が見え見えで気持ち悪い。
「この後は予定があって」
「えー」
「ごめんね」
申し訳なさそうな素振りをして、なるべく可愛く笑って見せた。
「うーん…じゃあ一緒に飲もう」
残念がりながら、並々と酒が注がれた。
(潰しにきてる…)
気づかないふりをして明るく盃を交わす。
「「乾杯!」」
一緒にグラスを飲み干した。
周りにいる人たちも巻き込み、際どい猥談が始まった。
⚫︎⚫︎のグラスが空けば、男は目ざとく酒を注いだ。
これで何杯目か。
流石にふわふわし出した⚫︎⚫︎の変化を男は見逃さなかった。
「ほら、どんどん飲んで」
「…ありがとう」
わざと⚫︎⚫︎に集中する猥談を適当に流しながら、注がれたグラスをふと見る。
いつの間にか酒が無くなっていた。
(あれ…?)
「⚫︎⚫︎さん強いなー!ほら、もっと飲んで飲んで」
また並々と注がれる。
酔ってるのか、しっかりしなきゃ…
ゆっくり口へと運びながら話に耳を傾けていたら、またグラスが空になっていた。
(あれ…やっぱり…)
背中合わせで気づかなかったが、カカシが隣に座っていた。
カカシ目当てであろう女子と爽やかに話している。
気づかれないように、代わりに飲んでくれていたのか。
小声でありがとうと言うと、カカシは机の下で⚫︎⚫︎と静かに指を絡ませる。
心拍数が上がった。
感情を表に出さずお互い会話を続ける。
カカシが側にいてくれるなら、こんな夜も悪くないかもしれない。
共に夜を過ごすまでの間、水面下のトキメキを楽しむのだった。
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