駆け引きを貴方と※作成中
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「お、いらっしゃいー」
店主はオレの顔を見た後、後ろの彼女に目をやった。
口を開けた流れで何かを言いかけようとしたが、⚫︎⚫︎ではない事が分かるとそれ以上は何も言わなかった。
オレは壁際の席を選び、出入り口が見えるように座る。
「ご注文お決まりで?」
最近入ったらしいバイトの子はオレの事をよく知らない。
邪推もせず事務的に注文を取る。
「かしこまりました、お待ちくださいねー!」
注文を書き留めると手際良く店内の空いた皿を下げながら、奥へと入って行った。
「居心地の良いお店ですね」
「あぁ」
キョロキョロと店内を見回す彼女は、オレより7つ下と聞いた。
それにしては落ち着いていて、オレの時はどうたったかと考えを巡らしてもこの子の品行に勝てる気がしなかった。
砂隠れの里の事や、任務の事、忍同士で話は尽きない。
しかし目当ての⚫︎⚫︎は現れず、時間ばかりが過ぎて行った。
彼女が手洗いに立った際に会計を済ませ、戻ってきた所で声を掛ける。
「明日もあるし、そろそろ帰ろうか」
「そうですね」
席を立とうとした時、店のドアが音を立てて開いた。
「いらっしゃい!」
店主が背中を向けていなければ、その声に威勢はなかっただろう。
「こんばんはー」
⚫︎⚫︎がいつものカウンターへと向かう時、オレと目が合う。
「あっ………」
一瞬嬉しそうな表情をしたが、連れ立つ相手を見て慌てて考えを巡らしているのが分かった。
「お疲れさま」
「……あぁ、お疲れ」
穏やかだが他人行儀な挨拶に境界線を引かれた事を知る。
どこまでも冷静な⚫︎⚫︎に苛ついたのは事実だ。
でも、砂隠れの彼女が立ち上がろうとした拍子に体勢を崩したのは偶然だった。
咄嗟に受け止めれば、女性特有の柔らかな感触が腕に伝わる。
「っ……!ごめんなさい!」
謝らなけれなならないのはオレの方なのに、彼女は真っ赤になりながら慌てて頭を下げた。
巻き込んでしまった事を後悔するほど良い子だ。
⚫︎⚫︎を見れば表情一つ変えずに、そのままカウンターへと歩き出す。
「………」
その背中を横目で見る。
砂隠れの子を抱き寄せながら微笑んだ。
「あのさ、この後も時間ある?」
賑やかな店内に負けじと、⚫︎⚫︎に聞こえる声量で言った。
「え、えっと……ハイっ」
戸惑いながらも、やはり語尾には嬉しさが滲む。
「良かった」
微笑めばまた顔が真っ赤になる。
店を出ながら⚫︎⚫︎を盗み見れば、微動だにせずメニューを見ていた。
