追い風に乗って
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「…⚫︎⚫︎」
「え…?」
「⚫︎⚫︎?そろそろ行くよ」
「あっ…うん」
任務中カカシに顔を覗き込まれ、慌てて地図から顔を上げる。
昨夜の娘との会話を思い返している場合じゃない。
前線の任務に復帰してから、まだ日が浅い。
迷惑だけは掛けたくない。
(気を引き締めなきゃ…)
⚫︎⚫︎の不安をよそに、身体だけは戦い方を覚えていた。
染みついた経験値と過去の自分に感謝しする日々だ。
今日も無事に一日の任務をこなし、班を代表したカカシと二人報告を終えた。
帰り道を歩きながらカカシは⚫︎⚫︎に言う。
「今日の任務、やりやすかったよ」
「…そう言ってもらえて良かった」
カカシと組むのはいつぶりだったのだろう。
「大分勘も取り戻せたんじゃない?」
「まだまだだよ。カカシの足手纏いにならないように必死」
⚫︎⚫︎は苦笑した。
「立場が逆になるのもすぐでしょ」
「…そうなれるように頑張るよ」
嬉しそうにはにかむ⚫︎⚫︎にオレは口を開く。
「あのさ、昔の⚫︎⚫︎ってオレの事苦手だったでしょ」
「え…?それは……今もそうかも……」
「…あのねぇ、それは傷付くよ」
「あはは、冗談だよ。でも同期の中で一番尊敬してるよ?」
「尊敬ねぇ…」
「カカシこそ、他人に興味なかったじゃない」
「…まぁ否定できないけど」
「それなのに取り巻きが多いから、ゲンマが羨ましがってたよ」
「ゲンマ?」
「気になってる女はすぐカカシの所へ行くって」
「それはゲンマに魅力がないからでしょ」
「わぁ…その言葉は聞かせられないね。二人で飲むとすぐ悪酔いして、家まで運ばされてたんだから」
「二人で?」
オレだって⚫︎⚫︎と二人で飲んだ事はない。
ゲンマと⚫︎⚫︎が飲んでいる所を妄想する。
おぼつかない足取りで、暗がりのベッドに誘い込むゲンマが思い浮かぶ。
「ゲンマと寝たの?」
⚫︎⚫︎が目を丸くしている。
「……すぐそういう思考になる」
「なるでしょ、男なんだから」
「…カカシとは違うの。何もなかったよ」
不機嫌な声で⚫︎⚫︎が言うから嘘では無さそうだ。
「へぇ…。聖人君子なのね、ゲンマ君は」
(酔っても下半身に流されないゲンマを尊敬するよ)
そう感心しつつ言い放つ。
「それにしても警戒心がなさすぎない?」
「警戒心って…ゲンマだよ?」
男に対する理解度が低い⚫︎⚫︎に呆れる。
結婚の経験をしても、そう言い切れるのが驚きだ。
相当淡白な旦那だったのだろうか。
「…ねぇ⚫︎⚫︎。この前オレがシたかった続きさせてよ」
「えっ……わっ!カカシ⁉︎」
オレは⚫︎⚫︎を抱えると、家へと最短の道で帰った。
