追い風に乗って
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「⚫︎⚫︎?そろそろ行くよ」
「あっ…うん」
カカシに顔を覗き込まれ、慌てて地図から顔を上げる。
昨夜の娘との会話を思い返している場合じゃない。
前線の任務に復帰してから日が浅い。
初心に戻って気を引き締めなくては…。
しかし昔取った杵柄とはよく言ったもので、身体が戦い方を覚えていた事に⚫︎⚫︎は感謝した。
「今日の任務、やりやすかったよ」
一日の報告を終えた後、廊下を歩きながらカカシは言った。
「そう言ってもらえて良かった」
「大分勘も取り戻せたんじゃない?」
「まだまだだよ。カカシの足手纏いにならないように必死」
⚫︎⚫︎は苦笑した。
「立場が逆になるのもすぐでしょ」
「…そうなれるように頑張るよ」
はにかむ⚫︎⚫︎が可愛くて、オレは進展を求め出す。
「あのさ、⚫︎⚫︎ってオレの事好きじゃなかったでしょ」
「え…?それは……今もそうかも……」
「ハハッ、正直すぎるね」
「好きでも嫌いでもないよ」
「それって興味ないって事だから、それはそれで傷付くなぁ」
「カカシこそ、他人に興味なかったでしょ」
「…まぁ否定できないけど」
「それなのに取り巻きが多いから、ゲンマが飲む度に羨ましがってたよ」
「ゲンマ?」
「気になってる女はすぐカカシの所へ行くって」
「それはゲンマに魅力がないからでしょ」
「わぁ…聞かせたくないねその言葉。そんな時にはすぐ悪酔いして、家まで運ばされてたなー」
オレは暗がりのベッドに倒れ込む二人を想像した。
「ゲンマと寝たの?」
「……すぐそういう思考になる」
「なるでしょ、男なんだから」
「…カカシとは違うの。何もなかったよ」
不機嫌な声で⚫︎⚫︎が言うから嘘では無さそうだ。
「へぇ……」
(酔っても下半身に流されないゲンマを尊敬するよ)
そう感心しつつ言い返す。
「それにしても警戒心がなさすぎない?」
「警戒心って…ゲンマだよ?」
結婚していたのに、男に対する理解度が低い⚫︎⚫︎に呆れる。
(相当淡白な夫だったのか…)
「ねぇ⚫︎⚫︎。この前オレがシたかった続き知りたい?」
「え……?」
あの日、飲み屋で口移しをされて赤面した⚫︎⚫︎は、逃げるように財布から金を出して去って行った。
多少強引でも、次の機会に恵まれた事に心の中で微笑んだ。
