追い風に乗って
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「カカシ酔ってるでしょ…」
反省の色を見せないオレに⚫︎⚫︎は言う。
「これくらいでオレが酔うと思う?」
「酔ってる酔ってる。ここお店だよ?」
ハンカチで口を拭いながら、適当にあしらおうとしているのが見え見えだ。
「逃げ場がなくてイイじゃない」
「よくないから。ちょっと冷静になってよ」
⚫︎⚫︎の瞳に映っている今が好機だった。
「⚫︎⚫︎なら気付いてるでしょ?」
「……?」
「オレ、⚫︎⚫︎のせいで結婚しちゃうよ」
「私のせい?え、もしかして相手がいるの?」
焦りもしない⚫︎⚫︎の言葉に、純粋な驚きと喜びが入り混じる。
的外れな解答に苛立ちながらオレは言う。
「…バカなの?フツーそういう解釈する?」
「え?なに、どう言う事…」
察しの悪さが気に入らなかった。
「離婚歴を作る為って言ってるんだけど」
「なに言って……「⚫︎⚫︎と同じ立場になれば考えてくれるんでしょ?」
更に続ける。
「オレを選択肢の中に入れてくれるまで繰り返してみようかな」
「あのねぇカカシ…そんな事して良い訳「ここまで口説かせたら分かる?」
「………」
⚫︎⚫︎は黙った。
グラスの影に視線を落として呟く。
「カカシ…結婚は私だけの話じゃないの」
静かなはずのBGMが、急に煩く感じた。
「恋愛どうこうより、娘の為になる事がしたい」
「……じゃあ子供が納得すれば良いって事?」
「そんな簡単な話じゃ………」
言い淀む彼女は、自分の気持ちまでは否定しない。
「そう。オレにもチャンスがありそうで良かった」
もう鍵はかけないでね、と⚫︎⚫︎の胸を指す。
⚫︎⚫︎は困惑した表情でオレを見たが、すぐに話題を変えるオレにそれ以上は突っ込まなかった。
