独占欲《続》
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閉まったドアを見つめながら、引き留めようとした理由を探す。
謝罪か言い訳か…。
どちらにせよ身勝手な選択だ。
情け無い自分に耐え切れず、机に顔を伏せた。
「⚫︎⚫︎さん」
思いがけない声に肩が跳ねる。
誰もいないはずの部屋だった。
「気配消さないでよ…」
ゆっくりと頭上にあるゲンマの顔を見上げる。
すみません、とゲンマは困ったようにはにかんだ。
「⚫︎⚫︎さんが俺を頼って来ないって事は、そういう事だと思ってます」
「………」
「でも俺バカだから、いつまでも待っちゃうんすよ」
ハッキリと振って下さい、と苦笑した。
「そうじゃないと、無理矢理にでも手を引いて他里に行きますよ」
苦しそうな声でゲンマは言う。
「⚫︎⚫︎さん、幸せですか?」
「私は………」
即答しなければ。
私は幸せだと。
だからゲンマも幸せになってねと…
先に口を開いたのはゲンマだった。
「⚫︎⚫︎さん…言葉を偽るくらいなら何も言わないで下さい」
更に続ける。
「女心って分かんないんすけど、⚫︎⚫︎さんの事は分かります。…俺、意地悪言ってますよね。すみません」
頭を下げる彼を見て、私の迷いは薄れて行く。
宿した命を守るのならば、もう優柔不断ではいられない。
「ゲンマ。今までありがとう」
「…はい」
「ゲンマが誇れる先輩になるね」
「……分かりました」
もう一度⚫︎⚫︎はありがとうと口にした。
ゲンマはそれ以上何も言わなかったが、顔を上げると清々しい表情で笑っていた。
覚悟はできていたのだろう。
⚫︎⚫︎は閉まるドアから目を背けずに見送る。
まるで会話を聞いていたかのように、胎動が伝わった。
