恋人ごっこ
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「あぁ…来ちゃった…」
背中で項垂れる⚫︎⚫︎に言う。
「心の声が漏れてるよ」
「こんな所見られたら…」
⚫︎⚫︎は青ざめる。
オレは構わず鍵を差し込んでドアを開けた。
「見られたら別れる?」
「………」
「今から先輩呼ぼうか」
「…馬鹿な事言わないで」
「ハイハイ」
苦笑しながら部屋に入ると、⚫︎⚫︎をソファに降ろす。
座った途端、⚫︎⚫︎はすぐに身体を横たえた。
「何か食べたい物ある?」
「何も……。少し寝かせて」
「ごゆっくり」
オレは椅子に腰掛け、静かに本を読む事にした。
数分後には寝息が耳に届く。
寝苦しそうな浅い呼吸だった。
「先輩……」
愛しく呼ぶ名が、残酷に突き刺さる。
どうしたら届くのか。
こんな時間でさえも愛しく感じてしまう。
その声でオレを呼んで欲しいと期待する程、虚しくなった。
