恋人ごっこ
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「カカシ…悪いんだけど、もう少し人通りの少ない道を…」
ジロジロと見られる視線に耐え切れず、力無い声でお願いする。
「この道が最短でしょ」
「ねぇ…お願い……」
「ヤキモチ妬きの彼氏が怒る?」
「………」
「ハイハイ」
路地裏へと進む。
「家まで送ればいい?」
「家じゃなくて…まだ行きたい所があって…」
「あのねぇ………」
「………」
怒るカカシに、⚫︎⚫︎の言葉は消えて行く。
「静養が一番でしょ」
「…分かった。どこでもいいから、宿で降ろしてくれる?」
「何?彼氏と喧嘩でもしてるワケ?」
「………」
「図星か」
「喧嘩じゃないけど………」
小さい声で⚫︎⚫︎は言った。
「………先輩、きっと寝かせてくれないから」
口ごもる⚫︎⚫︎に、カカシは引き気味に言う。
「…こんな状態でセックスするの?」
「………」
「断れよ」
「聞いてもらえるならそうしてる…」
カカシの脳裏に彼氏の顔が浮かぶ。
オレより2つ年上で、見た目が良く持て囃されてきた男だ。
モテる男のあるあるで、手に入れた女への配慮は早々に尽きたらしい。
⚫︎⚫︎がどうしてそんな奴に心を許したのか理解できなかった。
「オレの家で休めば?」
「それはダメ」
「…そんな事言っても、かなり熱っぽいけど」
「………」
「宿で倒れられても迷惑でしょ」
「…じゃあやっぱり家に帰る」
「セックスしに?」
「…露骨に言わないでよ」
刺々しい声で返す。
カカシはため息をつきながら、自分の家へ進路を変える。
「ちょっと…カカシ……困るっ」
「船頭はオレだからさ」
前を向いたままそう答えた。
