良い人
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待機所にゲンマの姿がなく安堵する。
⚫︎⚫︎は小さくまとめた包装紙を、待機所のゴミ箱にこっそり捨てた。
「どうしたのそれ?」
離れているソファから声がした。
「あー…」
言葉に詰まりながら視線をやれば、カカシが本から顔を上げてこちらを見ている。
適当にあしらおうかとも思ったが、嘘は得意な方ではない。
後々辻褄が合わなくなるのも面倒で正直に話す。
「あぁ…もらったの」
「誰に?」
「後輩」
「いつ」
「さっき…」
「誕生日に?じゃあプレゼントじゃないの」
カカシは驚いた口振りだった。
「……何よ」
「好きですって?」
「別に…返事はいらないって」
カカシは段々と小声になる⚫︎⚫︎を睨んだ。
「ハァ…相変わらずお人好しだよね」
心外な言葉にムッとして言い返す。
「選んでくれた時間とか色々考えると受け取らない訳にいかないでしょ」
「フーン…優しいねぇ⚫︎⚫︎は」
「………」
ゲンマが不在だと安心していたら、カカシから嫌味が飛んでくるとは。
嫌な時間だ。
私だって断れたら断りたい。
ただ相手の落胆した表情を見るのが苦手で流されてしまう。
「ちょっと見せてよ」
カカシは⚫︎⚫︎に近づき手を伸ばす。
許可もなくブレスレットを外すと自分の腕に嵌めてみせた。
「オレにも似合うじゃない。これどこの?」
「ちょっとカカシ…!」
ブレスレットをまじまじと眺めている。
悔しいが違和感はなかった。
「どこのかは私も知らないけど…デザイン良いよね」
「うん、良い趣味してるじゃないのソイツ。じゃあ今日は借りてくね」
「え?」
「オレ任務だから。⚫︎⚫︎誕生日おめでとう」
「ちょっと…返してよ!」
⚫︎⚫︎の言葉を遮って待機所を去って行く。
相変わらずの身勝手さに呆然としていた。
