幸せにならないで
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「久しぶり、扉間」
「あぁ⚫︎⚫︎。邪魔する」
コソコソと⚫︎⚫︎の後ろに隠れてみたが、弟の視線はただ一点を見つめている。
扉間が長いため息をついた後言った。
「兄者。忙しいのにまた油を売って…」
諦めて顔を覗かせれば、険しい顔をする弟と目が合った。
「許してくれ、息抜きができなければ心が死んでしまうぞ」
呆れながら扉間が⚫︎⚫︎に視線をやる。
彼を庇うように、“ごめんね”と音を出さずに口を動かした。
「ハァ……兄者に伝える事があると皆が煩い。午後は待っているからな」
「分かったぞ…」
がっくりと肩を落とす兄に悪い気がしたのだろう。
扉間が黙り静寂に包まれた部屋を、⚫︎⚫︎の手を叩く音が響いた。
「まぁまぁせっかく来たんだし、お茶でも飲んで行けばいいじゃない」
頂き物の美味しいお茶があるの、とキッチンへ歩きながらソファを指差す。
「ほら、二人は座ってて。本当は私がゴロゴロしたいのに…特別だからね」
扉間は時計をチラッと確認すると、少しくらいならばとソファに掛けた。
「…良いソファだな」
「でしょー?二人で選んだの」
ねー、とオレを見て笑った。
可愛い⚫︎⚫︎に思わず微笑む。
いつもの二人のペースに巻き込まれ、扉間は冷ややかな視線を向けていた。
「扉間も早く彼女ができるといいね」
「…余計なお世話だ」
ムッとして呟く。
三人でお茶を飲んだ。
オレたちの談笑する時間は日に日に減っていた。
柱間が火影になった事で関係性は大きく変わった。
他者の目を意識しなくていいこの一時は、三人が自分らしくいられる数少ない時間だった。
しかし、楽しい時間は過ぎるのが早いのも常だ。
「さて、そろそろ行くぞ兄者」
「…もうかのォ」
肩が床につきそうなほど項垂れた。
「柱間、いつでも待ってるよ。行ってらっしゃい」
「あぁ…行ってくる」
⚫︎⚫︎を抱きしめ家を出た。
見送る声も微笑みもいつもと変わらない。
この変わらない幸せが、どれほど尊いものだったのか…オレはまだ知らなかった。
