愛の鎖
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二人が初めて訪れる店だった。
入り口の棚には化粧品の類が並ぶ。
「へー、紅が沢山」
⚫︎⚫︎はオレの少し後ろをついて来る。
歩きながらふと目についた色を手に取ってみた。
「これ、⚫︎⚫︎ちゃんに似合いそうだよ」
見本を指に取る。
「こっち向いて」
「え、いいよ…」
「ほら、遠慮しないで」
片手で頬に触れれば⚫︎⚫︎は観念したのだろう、じっとしていた。
優しく紅を引く。
「思ったとおり、似合うね」
近くにあった手鏡を渡した。
「…キレイな色」
「ね?言ったでしょ?」
紅色と橙色を混ぜたような紅が美しかった。
「少し待ってて」
オレは店主の元へ行き、支払いを済ませて差し出す。
「はい、プレゼント」
「そんな…貰えないよ」
慌てて首を振る。
「受け取ってくれないと付き纏うから」
「っ……」
絶句する様子に笑った。
「それは冗談だけど、受け取って欲しいな」
⚫︎⚫︎は紅と彼を交互に見る。
「…ありがとう」
「どういたしまして」
揃えて広げた掌にそっと乗せた。
店を出ると今度はオレから切り出す。
「今度こそさようならかな。⚫︎⚫︎ちゃんに会えて嬉しかったよ」
「うん。あの…コレありがとう」
視線を紅に落としながら、⚫︎⚫︎が優しく微笑む。
その表情に目を奪われた。
(…他人にそんな顔しちゃダメでしょ)
心の声は封印して、コイツになりきって会話を続ける。
「…やっと笑ってくれた。時々でいいからオレの事思い出してね」
くしゃくしゃと頭を撫でる。
変化などしていなければ、迷わず抱きしめていたことだろう。
その後は手を振り別れた。
(さてと…)
後ろ姿を見送ると、煩わしい変化を解いて⚫︎⚫︎の家へと向かった。
