独占欲
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「「おつかれー‼︎」」
コンッとグラスの音が鳴る。
紅、アスマ、アンコ、ガイ、ゲンマと急な召集でも都合のついた見知ったメンバーだ。
「くーっ…!非番でもビールが美味い!」
アスマが美味しそうに飲み干す。
新しい居酒屋は串料理が売りのようだった。
焼き鳥、串カツにスピードメニューなど、みんなの好みの品をアンコが手際よく注文してくれる。
「アンコ、ありがとね」
「どういたしまして」
ニカッと笑うアンコ。
食事の場では頼りになる。
酒とつまみを食べながら、守秘義務を守って任務や近況について楽しく話した。
隣に座るゲンマは最近彼女にフラれたらしい。
話題が紅とアンコの酒のツマミにされている。
「ゲンマは女心がわらないのが残念だわ」
「結構マメな男なのに残念だよねー!」
「…うるせー!ざんねんざんねん言わないでください!」
酒の力もあって荒れている。
「ねぇねぇ⚫︎⚫︎はどう思う?」
急に話の矛先がこちらに向いて、ドキッとした。
(油断してた…)
「うーん、でも今回も彼女の浮気でしょ?ゲンマは悪くないんじゃない」
「そうなんですよ!」
ゲンマはパァッと顔を輝かせている。
「「今回も、って所が問題よ」」
紅とアンコの声が重なる。
「もう放っといてくれ…」
ゲンマは机に突っ伏した。
「…そう言うアンコさんと⚫︎⚫︎さんはどうなんだよ」
横目でこちらを見て呟く。
「私?私は恋よりご飯よご飯!」
ワシワシ食べるアンコの姿に説得力しかない。
「私は…まぁご存知の通りで」
公言せずともカカシとの関係は知られていた。
「いつも言ってるけど…もう付き合っちゃえば?」
紅が悲しそうな顔で言う。
「うーん…そういう感じじゃないんだよね」
「…ほんと、勿体無いわ」
進展のない話題も心が痛い。
⚫︎⚫︎は気まずそうにビールを流し込んだ。
「…ゲンマ、いきなさいよ」
紅がゲンマの肩を肘でつついてコソコソ話す。
「…嫌っすよ、カカシさんでしょ?めんどくせぇの敵にまわしたくないです」
「いつも⚫︎⚫︎のこと目で追ってるの知ってるわよ」
「んなっ…!」
「それに、今夜は千載一遇のチャンスよ」
訝しんでゲンマの眉間に皺が寄る。
「…なんでチャンスなんですか」
「…色々あるのよ。上手く2人っきりになって切り出しなさいよ」
「ふーん…」
普段なら口車に乗せられるゲンマではない。
でも、今夜は当たって砕けろ精神でもいいかと飲みすぎた酒の勢いで⚫︎⚫︎の方を見て言う。
「⚫︎⚫︎さん、食事終わったら俺の家来ませんか?」
唐突な話に驚く。
⚫︎⚫︎は思わず断った。
「えっ?…やだけど」
「バカ!いきなり家に誘うやつが…」
二軒目の切り札も出さずに直球勝負をするゲンマに、呆れた紅が助け舟を出す。
「…さっき話してたのよ!ゲンマが秘境の紅茶を手に入れたから、誰かと飲みたいんだって」
「へー…。紅茶かぁちょっと気になるかも」
いつの間にか、ゲンマの横にさっきまでなかった紙袋が置かれていた。
今日のデートで紅とアスマが購入して、お楽しみに取っておいたものだった。
⚫︎⚫︎のためならと、紅の苦肉の策だった。
「じゃあ、少しお邪魔しようかな」
「おう!」
(世話が焼ける…。後はなんとかしなさいよ)
丸くおさまったことに安堵の表情を浮かべる紅だった。
