独占欲
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それからの数ヶ月はボロボロだった。
単純なミスが増え、カカシや後輩にフォローしてもらうことが情けなかった。
一人になると涙が溢れた。
あと数日で帰還の見通しも立っていたので、やり過ごすことだけを考えて日々をこなした。
任務で気を張っていない夜は吐き気がする。
集中力の欠如も著しく、嫌な予感がふと頭をよぎった。
違和感を誰にも告げることなく、里へ帰る日がやって来た。
久しぶりの里だった。
数ヶ月前と何も変わらない風景に安心する。
報告はカカシと私で事務的に済ませた。
無言で出口に向かって歩く。
(どこに帰ろう…)
ゲンマに会いたい。
素直な気持ちを吐露すると、罪悪感で押しつぶされそうになる。
願っている形と離れていくことがやるせない。
「⚫︎⚫︎、お帰り」
建物を出ると、ゲンマが立っていた。
「あ…」
ただいま、の一言が喉に詰まった。
「…ただいま。待っててくれたの?」
「当たり前でしょうよ」
曇りなく笑うゲンマの笑顔に視界が滲む。
「さあ、帰りましょう」
(ああ、もう限界だ…)
こんなに近くにいるのに、貴方は遠すぎる。
「…ゲンマ、別れよう」
ポロポロと零れる涙を拭うこともなく、静かに言う。
「…なんすかそれ」
「勝手でごめん…」
「わけわかんねぇよ…」
「…ごめん」
静かに見ていたカカシが⚫︎⚫︎のお腹をさすって言い放つ。
「…オレの子産みたいってさ」
その一言を聞いたゲンマが声を荒げる。
「なにしてんだよっ…」
「何ってナニだけど」
「っ…!ふざけんなっ」
「ゲンマがぼーっとしてるからでしょ」
「任務中でしょうがっ」
「…ゲンマ、もうやめて…」
「よくねぇだろ…」
「…私には綺麗な恋愛はできなかったみたい」
「っ…本当にそれでいいのかよ…」
ゲンマが顔を歪める。
何も言わない⚫︎⚫︎に、短くため息をついた。
「…気が変わるまで待ってる」
静かに⚫︎⚫︎に言い、カカシを睨む。
⚫︎⚫︎はゲンマの背を無言で見送った。
(ゲンマと一緒に生きたかった…)
巡り合いが遅かったのだと、都合の良い言い訳をする。
空の青ささえ憎かった。
明日の行方が少しでもマシになることを祈って、カカシと歩き出した。
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