対等な関係
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付き合い始めて半年。
いつも掴みどころのないカカシを少しだけ不安にさせたくて、普段ならためらう任務の依頼を引き受けた。
ーーーーーー
風の国の商店街。
木の葉の里から遠く離れたこの地で、寄り添い歩く男女。
一人は⚫︎⚫︎と、もう一人はこの国の豪商の息子だ。
「まだまだ欲しいものがあれば遠慮なく言ってくださいね」
そう言って⚫︎⚫︎に向ける爽やかな笑顔。
火影様から聞いていた、“恋愛経験のない箱入り息子に健全な恋愛指南を”なんて、おこがましい話だった。
「ありがとう」
私も同じように微笑むが、彼が持ってくれている購入した品々が目に入り少し心が痛んだ。
半日過ごしてみたが、外見も中身も申し分ない。
お近づきになりたい人なんて数多といるだろうに…。
(この任務、もっと適任者がいたんだろうな)
申し訳ない気持ちで⚫︎⚫︎は苦笑した。
「⚫︎⚫︎さん、ここの茶屋おいしいんですよ」
歩き疲れた足を労る気遣いもスマートだ。
促されるまま入った店は、そこそこ混雑していた。
「いらっしゃい!やぁ久しぶりだね坊ちゃん」
店主と思われる人が嬉しそうに声をかける。
「また!いつも言ってるじゃないですか、坊ちゃんはやめてって」
少し頬を赤らめる仕草から、子どもの頃からの馴染みの店だということが伺えた。
「わりぃわりぃ!いま混んでるから、相席になるかもしれないけどいいかい?」
と店主が聞けば、隣の彼は私の表情をチラっと見て
「⚫︎⚫︎さん、お店変えましょうか」
と気遣ってくれる。
「いいえ、ここにしましょう。ぜひお勧めを頂きたいです」
と微笑み、案内された席へ座った。
「あんみつと抹茶を2つずつください」
注文をしてもらったところで、私はお手洗いに席を立った。
帰ってくると隣の席に眼鏡をかけた若い男が座っている。
聞き耳を立てながら近づくと、会話は盛り上がっているようだ。
「遅くなりました」
「⚫︎⚫︎さん、お帰りなさい」
席に座ると、彼は相手の人を私に紹介してくれた。
「旅をしながら商売をされているそうですよ」
なるほど。
年も近く、商人話で盛り上がっていたのか。
黒縁メガネに漆黒の髪がよく似合う好青年。
この外見なら、通りすがりの女子が喜んで買っていくだろう。
「はじめまして」
笑顔で声をかけると、相手もにこやかに「よろしく」と短く返した。
そのとき違和感を覚えた。
この声の抑揚、強弱のつけ方。
(どうしてここに…)
カカシとはお互い仕事が重なりしばらく顔を合わせていなかった。
この任務を引き受けるとき、受付でカカシの任地を確認したはずなのに。
いつか、今回の任務が風のウワサでカカシの耳に入ればいいと思った。
そのときに複雑な感情が芽生えれば、カカシの彼女として対等になれる気がした。
しかし、任務中を見られてしまったこの状況は気まずい。
「彼女ですか?美人ですね」
カカシが彼に問う。
「ステキな方ですよね。俺には不釣り合いかもしれないです」
「いや、誰からみてもお似合いでしょう」
謙遜をしようにも、会話に入っていくことが怖かった。
当たり障りのない相槌をうちながら、味のしないあんみつを食べ終えた。
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