【ログ】Xで公開したひいあい短編

「藍良、邪魔……」
「はァ?」
 ヒロくんが膝に座れっていうから仕方なくソファにしてあげてるのに、急に邪魔とは何事か。お望み通りどいてあげようとしたら、ヒロくんの手がおれのシャツの中に入ってきた。
「ひゃんっ、な、何?」
 どいて欲しいのかと思ったのに、ヒロくんの両手が逆におれのお腹や胸に絡みついてくる。部屋着のシャツはたくし上げられて、ほとんど脱がされてしまった。
「服」
「え?」
 耳元で囁かれる低めのヒロくんの声に、一瞬動きを止められる。その隙におれのシャツはどこかに飛んで行った。
「服が邪魔……」
「ちょ、ちょっとォ!」
 シャツを取り返そうと手を伸ばしたところをまた後ろから捕まえられて、そのままソファに押し倒された。おれの視界は明るい天井だけになる。ヒロくんがおれの首筋にキスをしたのに、身体が素直に反応してしまった。
「あっ……ちょ、ちょっとヒロく……」
 びくっと自分の腰が跳ねて、身体の芯がじわりと熱くなるのを感じて、おれは焦った。
 だめ、恥ずかしい。だってまだ夕飯もお風呂も済ませてないのに。こんな時間から……。
「だ、だめェ!」
 咄嗟におれが声をあげたら、ヒロくんがはっとしておれの身体を押さえつけていたのを緩めてくれた。
「あっ……ご、ごめん」
「え……?」
「……また僕は、藍良の了承を確認せずに始めてしまった……ごめん」
「は、はァ~? おれがいつも流されてるみたいに言うなァ!」
 おれは後ずさるヒロくんを追いかけるように起き上がって、そのままヒロくんの襟首を掴んで反対側に押し倒した。
「脱げ」
「あ、藍良?」
「ヒロくんも脱げェ!」
 勝手に盛ったくせに急に我にかえって、逆に恥ずかしいでしょうが。
「ご、ごめん藍良、怒ってる?」
「怒ってなァい!」
 謝るくらいなら最初からするな。こっちはヒロくんのせいですっかりその気なんだから、そのまま流されさせて欲しかったです。絶対言ってあげないけど。
「先に手出した責任はとってよね」
 邪魔な服は全部脱がせてあげるから。
 おれはソファに仰向けに倒れているヒロくんに跨って、シャツのボタンに手をかけた。
 


おわり
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