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それはとても突然の事だった。
あれは確か私がたまたま想定外の呪霊と遭遇して無茶して、大した怪我はしてないけれど精神的疲労で倒れた時のことだ。
目が覚めて目に入るのは見慣れた自分の部屋の天井。
私はどのくらい寝てしまっていたのだろう。まだはっきりとしない視界の中、なんてことを考えるそばで響く声。
「あ、起きた。おはよー杏樹」
『あ、おはよう五条くん…………………
…ん?あれ。いやいやおかしい、おかしいよ五条くん。おはようじゃなくない?なんでいるの、どうして私の部屋でくつろいでるの?』
「そりゃあ杏樹が倒れたなんて聞いたら心配でいてもたってもいられなくて来ちゃうでしょ。」
『ああ、そうなんだ、心配してくれてたならもっとそれらしい態度であって欲しかったな…』
いるはずのない人に驚いて上半身だけ起き上がった私はそう言いながら私が保管してあったお菓子を次々に食べてゆく五条くんをじとりと疑いの目で見据えた。
この男、五条悟と言って高校生でありながらに最強と謳われるようなとてもすごい人であり私の一つ下の後輩なのだが、この通り、わたし先輩だよねとこっちが不安になるほどの勝手ぶりで、何故か私にちょっかいを出してきては困らせてくるイタズラ常習犯である。
「やだなあ、ほんとに心配してたんだって。倒れたって聞いて飛んできたし、このまま目が覚めなかったらどうしようとか、心配で俺授業サボってまでずっとこの部屋にいたんだけど?」
『五条くん…!』
やだ涙出ちゃいそう。あの五条くんが、普段は私を虐めて楽しんでたようなあの五条くんがこんな顔して私のことを心配してくれてたなんて、感動しちゃう。
思わず両手で口元を覆って感動に震えながら優しく、そして切ないような顔で微笑む五条くんを見つめる。その口元に私が楽しみに取っておいたはずのクッキーの食べかすが付いたことは無かったことにしてあげよう。
だがその口元の両端が徐々に釣り上がり。ついでに目元なんかもニコニコさせちゃって。
あれ、なんだか嫌な予感。
あんなにも儚げな顔をしていたはずの彼の顔が一変、まるで私をからかって楽しんでいる時のような顔へとチェンジ。
そのまま自分の胸の前でぱちっと手のひらどうしを軽く合わせた五条くん。
「そこで賢い五条くんは思いつきました。
かよわい杏樹をこれ以上危険な目に遭わせないように守ってあげられる方法はないかなって。それならそうだ、俺が杏樹と結婚して、そうすれば杏樹は呪術界から退けるから危ない目に遭わないんじゃないかって。
って言うわけだから杏樹俺と結婚しよう。」
『……………え????
いやいやいや何言ってるの大丈夫五条くん。頭打った?それとも熱?あ、頭打った?』
正直彼の言っていることはわかっても理解が出来なかった。それでも心臓は反応してバクバクいっているし体が徐々に熱くなっているのもわかった。
驚きどころかそれをとびこえて何も考えられなくなっていたので私が今何を言っているのかすら理解できない。
「杏樹は酷いなあ、一世一代のプロポーズのつもりなんだけど」
そ、そんな馬鹿な…。
そうは思っても目の前にあるのは真剣でだけど私が疑っているからかいじけたような顔。
いやでも結婚って、私まだ18だし五条くん17だし法律的に言って結婚なんて認められないし、そもそも付き合ってすらないしそういう目でだって見たことないし…
だなんてうじうじと考えていれば痺れを切らしたのか彼は立ち上がると私の目の前にたち、上半身だけ起こしている私の肩を押した。
え?
すると顔にかかる影。それが誰の影かなんて一人しかいないわけで、気がつけば五条くんに四つん這い状態で押し倒されていた。
「結婚、してくれないわけ?なに、俺じゃ不満なの。」
『いいあいあいや、めめ、滅相もなく、いやあの、なんと言いますか、私は、別に呪術師やめようとか微塵も思ってなくって、この仕事してたらそりゃ命の危険も感じるだろなとか割り切ってまして、』
「だから?」
『ひえっ、あの、だから五条くんの、お気持ちは嬉しいけれども、よ、余計なお世話で、あの結婚とかはその』
「ふーん。」
『え。いや、五条くん?ちょっと?え?な、なにして、』
ぷつ、ぷつ。デコルテ辺りに触れる手。何を思っているのか感じとれない、無表情な彼は、たんたんと作業をするようにボタンが1個、2個と外されていた。
私の今の格好はブラウス1枚にスカート。つまりそのブラウスの下は無防備な下着のみ。
いやちょっと待って、何してるのこの子。
『ちょ、ちょっと五条くんお話しようよ、』
そこを空けられては谷間が見えてしまう、その前にと片手で器用にボタンを外そうとしている彼の手首を掴んだ。
するとその手は逆に掴まれるとベッドに縫い付けられ、一瞬で鼻先どうしが当たるのではないかと言うほどの距離に近づく顔。
眼光はとても鋭く、とても耐えられるとは思えない圧力にごくりと唾を飲み込むのでさえ緊張した。
「だって、杏樹が首を縦に振ってくれないから、先に既成事実でも作っとけば仕方ないとでも思って嫁いでくれるかなって。
まあ、このプロポーズを受け取ってお付き合いから始めてくれるって言うなら今はやめといてあげるけど。」
『は、ははい!わ、かりました喜んでっお付き合い、さ、させていただきます!これでいいですか!』
ああどうしよう。負けてしまった。だって、目がガチなんだもん。すっごく怖いんだもん、これ断ったら何されることか、そうなるぐらいならと勢いでしてしまった返事にまたにこにこ顔になる五条くん。
「そう言ってくれると思ったよ杏樹。
今日から俺の彼女ね。」
無理やり言わせたんだよ五条くん。嬉しいなあ、これからは俺が傷一つ付けさせないぐらい守ってあげるから。
そう言って頬に触れる唇の感触に、ああなんてことを許可してしまったのだろうと思うと同時に、その過度なスキンシップに照れては彼の恐ろしさに縮こまるのだった。
だけどこれはこれから起こる出来事の序盤にしか過ぎなかったのである。
あれは確か私がたまたま想定外の呪霊と遭遇して無茶して、大した怪我はしてないけれど精神的疲労で倒れた時のことだ。
目が覚めて目に入るのは見慣れた自分の部屋の天井。
私はどのくらい寝てしまっていたのだろう。まだはっきりとしない視界の中、なんてことを考えるそばで響く声。
「あ、起きた。おはよー杏樹」
『あ、おはよう五条くん…………………
…ん?あれ。いやいやおかしい、おかしいよ五条くん。おはようじゃなくない?なんでいるの、どうして私の部屋でくつろいでるの?』
「そりゃあ杏樹が倒れたなんて聞いたら心配でいてもたってもいられなくて来ちゃうでしょ。」
『ああ、そうなんだ、心配してくれてたならもっとそれらしい態度であって欲しかったな…』
いるはずのない人に驚いて上半身だけ起き上がった私はそう言いながら私が保管してあったお菓子を次々に食べてゆく五条くんをじとりと疑いの目で見据えた。
この男、五条悟と言って高校生でありながらに最強と謳われるようなとてもすごい人であり私の一つ下の後輩なのだが、この通り、わたし先輩だよねとこっちが不安になるほどの勝手ぶりで、何故か私にちょっかいを出してきては困らせてくるイタズラ常習犯である。
「やだなあ、ほんとに心配してたんだって。倒れたって聞いて飛んできたし、このまま目が覚めなかったらどうしようとか、心配で俺授業サボってまでずっとこの部屋にいたんだけど?」
『五条くん…!』
やだ涙出ちゃいそう。あの五条くんが、普段は私を虐めて楽しんでたようなあの五条くんがこんな顔して私のことを心配してくれてたなんて、感動しちゃう。
思わず両手で口元を覆って感動に震えながら優しく、そして切ないような顔で微笑む五条くんを見つめる。その口元に私が楽しみに取っておいたはずのクッキーの食べかすが付いたことは無かったことにしてあげよう。
だがその口元の両端が徐々に釣り上がり。ついでに目元なんかもニコニコさせちゃって。
あれ、なんだか嫌な予感。
あんなにも儚げな顔をしていたはずの彼の顔が一変、まるで私をからかって楽しんでいる時のような顔へとチェンジ。
そのまま自分の胸の前でぱちっと手のひらどうしを軽く合わせた五条くん。
「そこで賢い五条くんは思いつきました。
かよわい杏樹をこれ以上危険な目に遭わせないように守ってあげられる方法はないかなって。それならそうだ、俺が杏樹と結婚して、そうすれば杏樹は呪術界から退けるから危ない目に遭わないんじゃないかって。
って言うわけだから杏樹俺と結婚しよう。」
『……………え????
いやいやいや何言ってるの大丈夫五条くん。頭打った?それとも熱?あ、頭打った?』
正直彼の言っていることはわかっても理解が出来なかった。それでも心臓は反応してバクバクいっているし体が徐々に熱くなっているのもわかった。
驚きどころかそれをとびこえて何も考えられなくなっていたので私が今何を言っているのかすら理解できない。
「杏樹は酷いなあ、一世一代のプロポーズのつもりなんだけど」
そ、そんな馬鹿な…。
そうは思っても目の前にあるのは真剣でだけど私が疑っているからかいじけたような顔。
いやでも結婚って、私まだ18だし五条くん17だし法律的に言って結婚なんて認められないし、そもそも付き合ってすらないしそういう目でだって見たことないし…
だなんてうじうじと考えていれば痺れを切らしたのか彼は立ち上がると私の目の前にたち、上半身だけ起こしている私の肩を押した。
え?
すると顔にかかる影。それが誰の影かなんて一人しかいないわけで、気がつけば五条くんに四つん這い状態で押し倒されていた。
「結婚、してくれないわけ?なに、俺じゃ不満なの。」
『いいあいあいや、めめ、滅相もなく、いやあの、なんと言いますか、私は、別に呪術師やめようとか微塵も思ってなくって、この仕事してたらそりゃ命の危険も感じるだろなとか割り切ってまして、』
「だから?」
『ひえっ、あの、だから五条くんの、お気持ちは嬉しいけれども、よ、余計なお世話で、あの結婚とかはその』
「ふーん。」
『え。いや、五条くん?ちょっと?え?な、なにして、』
ぷつ、ぷつ。デコルテ辺りに触れる手。何を思っているのか感じとれない、無表情な彼は、たんたんと作業をするようにボタンが1個、2個と外されていた。
私の今の格好はブラウス1枚にスカート。つまりそのブラウスの下は無防備な下着のみ。
いやちょっと待って、何してるのこの子。
『ちょ、ちょっと五条くんお話しようよ、』
そこを空けられては谷間が見えてしまう、その前にと片手で器用にボタンを外そうとしている彼の手首を掴んだ。
するとその手は逆に掴まれるとベッドに縫い付けられ、一瞬で鼻先どうしが当たるのではないかと言うほどの距離に近づく顔。
眼光はとても鋭く、とても耐えられるとは思えない圧力にごくりと唾を飲み込むのでさえ緊張した。
「だって、杏樹が首を縦に振ってくれないから、先に既成事実でも作っとけば仕方ないとでも思って嫁いでくれるかなって。
まあ、このプロポーズを受け取ってお付き合いから始めてくれるって言うなら今はやめといてあげるけど。」
『は、ははい!わ、かりました喜んでっお付き合い、さ、させていただきます!これでいいですか!』
ああどうしよう。負けてしまった。だって、目がガチなんだもん。すっごく怖いんだもん、これ断ったら何されることか、そうなるぐらいならと勢いでしてしまった返事にまたにこにこ顔になる五条くん。
「そう言ってくれると思ったよ杏樹。
今日から俺の彼女ね。」
無理やり言わせたんだよ五条くん。嬉しいなあ、これからは俺が傷一つ付けさせないぐらい守ってあげるから。
そう言って頬に触れる唇の感触に、ああなんてことを許可してしまったのだろうと思うと同時に、その過度なスキンシップに照れては彼の恐ろしさに縮こまるのだった。
だけどこれはこれから起こる出来事の序盤にしか過ぎなかったのである。
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