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拍手小話ログ 3

◆ユリルク全開



その日、ルー、ユーリ、エステル、フレンはコンフェイト大森林にいた。
ここで失くしてしまった落とし物の捜索というクエストを受けた為だ。
些か広いこの場所での捜索はそれなりに体力を使う。
ルー達はある程度探した後、少しばかり休憩をとることにした。

大きな木の下に、ルーとユーリは腰を落ち着かせる。
ユーリはふぅと息をつき、辺りを見渡すとエステルとフレンの姿がいつの間にかなかった。
それに対して不審に思ったが、まぁフレンがいるなら大丈夫だろうと思い直す。
その時だった。

「くしゅんっ」

ユーリはくしゃみをした。
ここまでくるのに汗をかいていたが、木陰に入ってそれが冷え肌寒さを感じたようだ。
僅かに身震いをすると、隣に座っていたルーがユーリの顔を覗き込んでくる。

「ユーリ風邪か?」

突然、しかもかなりの近距離に寄せられたルーの顔にユーリは完全に不意を突かれ、お得意のポーカーフェイスは崩れ、顔に熱が集まる。

「…いや、大丈夫だ、ただのくしゃみだから」
「でも、ユーリ顔赤いぞ?!」

そりゃ好きな奴にそんなに近づかれたら赤くもなるわ!とは心の中で呟くもののぐっと堪える。
男としてのプライドがそれを許さなかった。
だが、心配そうに見つめてくるルーに、なんとなく申し訳ないような嬉しいような複雑な気持ちが芽生えてくる。

「本当に大丈夫だよ、ちょっと肌寒かっただけだ。」

むしろルーの方が薄着だろう、大丈夫なのかと聞こうとしたが、ルーは何やら真剣に考え込んでいた。
なんだ?
不思議そうに見ていると、ルーは何か閃いたようでパッと笑顔を見せる。

「…よし!」
「ん?」


何だろうと見ていると、ルーはユーリとの距離を縮め、こともあろうことか体同士をぴったりとくっつけた。
突然の行動にユーリは驚く。

「これなら少しはあったかいだろ?」

俺結構体温高いんだよと笑顔でいうルー。
その大胆で無防備な可愛さにユーリは言葉を失うが、じんわりと感じる温もりとルーの笑顔に自然と力が抜けていくのを感じる。

「…そうだな」

降参だ。
ここはプライド云々よりも、開き直ってしまった方がいいと思い立ったユーリは、ルーに体を預けるように寄りかかり、ルーの肩に顔を埋める。

「ゆゆゆゆユーリ!?」

ユーリの突然の行動に、流石のルーも顔を真っ赤に染めに狼狽する。
そんなルーにユーリは笑う。

「少しだけ、このままでいたい」

ポツリと呟かれた言葉にルーは目をまん丸くして驚いたが、ユーリが自分に体を預けてくれていることがわかり、ルーは頬を染めながら嬉しそうに微笑んだ。









そんな二人を少し離れた場所から見守っていたエステルは目を輝かせる。

「やりましたねフレン!二人きりにした甲斐がありました…!!」
「そうですね」

興奮状態のエステルにフレンは微笑みを浮かべ頷く。
そして、休憩時間が長引きそうだなと幸せそうな親友を見て笑みを浮かべた。


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