拍手小話ログ 17
◆ルーとルーク
※落ちなし、ほのぼの系です。
その日―青空の元、ルーとルークはバンエルティア号のデッキにいた。
今日は掃除当番の日で、二人に割り当てられた場所がここだったのだ。
ルークは髪をポニーテールのように束ね、手にはホウキを持っており、ルーはスポンジと雑巾を手にしていた。
見るからに気合の入っているルーは一生懸命に窓や手すりなどを拭いていたが、一方でルークはやる気は全くなく、さんさんと降り注ぐ太陽の日差しへのイライラも合間ってだらだらとホウキでゴミを掃いていた。
「掃除とかめんどくせー…」
なんで俺がこんな面倒臭いことしなきゃなんねえんだ…。
まだ作業を始めて間もないが、既にやる気はなくなっていたルークは項垂れながらため息をつく。
デッキは飛んできたゴミや土埃で意外と汚れやすい場所で、せっかく集めたごみも風が吹けば飛ばされる。地味に面倒な掃除場所だった。
くじ引きでこの場所を引き当ててしまったのは自分だが、絶対あれは陰謀だと思う。
なぜならそのくじ引きを作ったのはジェイドだったからだ。
あいつぜってー嵌めやがった!!
その中でルーを引き込めたのはまだ不幸中の幸いだった気がする。
そう、なけなしのやる気を振り絞っていると、先ほどまで窓ふきに夢中だったルーがルークに駆け寄ってくる。
「なぁなぁルーク」
「あ?なんだよ」
見ると、ルーは楽しそうな笑顔を浮かべていて、思わず首を傾げる。
ルーは持っていたスポンジをルークの前に見せびらかすように差し出すと、そのままスポンジをぐしゃぐしゃと握る。
すると、スポンジから泡が沢山出来ると、それは風に乗ってシャボン玉のように飛んでいく。
「すげーきれいじゃね?」
目を輝かせながら無邪気に笑うルーに、ルークは呆気にとられる。
…それの何が楽しいんだ?
そう思いつつ何度か目を瞬かせた後、無意識にルーが飛ばしたシャボン玉を目で追う。
確かにそれは光に当たりきらきらといろんな色に変えていて、思わず見入ってしまう。
そんなルークの反応を見たルーは嬉しくなって笑顔でどんどんシャボン玉を飛ばしていく。
夢中になっているルーの姿を横目で見るルークは優しい笑みを浮かべていた。
それから暫くしてルークの機嫌が戻ったのか、ぶつぶつと文句を言いつつもしっかりと掃除をこなし始めた。
手つきはルーと同じで器用ではないが、それでも真面目にこなす姿を見せる。
掃除が終わりピカピカになった状態をみて、二人は満足そうに笑みを浮かべたが、軽い疲労感から少し休憩することにした。
2人は壁に寄り掛かるように座り、そよそよと吹く風を浴びる。
なんだか気持ちいなぁ…。
そう思ったルーがふあっと欠伸をする。
すると同じタイミングがルークも欠伸をしていて、二人は思わず顔を見合わせ、そして笑った。
その後、暫くしてガイがルークの様子を見にデッキへと足を向けていた。
ルーと一緒らしいことを聞いていた為、あのルークもきっと掃除を投げ出さずにやっているだろうとは思ったのだが、元々ルークに対して心配性のガイはつい気になってしまい今に至る。
デッキに到着したガイだったが、見たところルーク達の姿が見えない。
あれ?と周囲を見渡すと、ふと壁際の方に朱いものが入り、そちらの方を見る。
そして次の瞬間、ガイの顔に思わず笑みが零れる。
その視線の先に、ルーとルーク、2人お互いに寄り掛かるように気持ちよさそうな顔で眠っていた。
end
※落ちなし、ほのぼの系です。
その日―青空の元、ルーとルークはバンエルティア号のデッキにいた。
今日は掃除当番の日で、二人に割り当てられた場所がここだったのだ。
ルークは髪をポニーテールのように束ね、手にはホウキを持っており、ルーはスポンジと雑巾を手にしていた。
見るからに気合の入っているルーは一生懸命に窓や手すりなどを拭いていたが、一方でルークはやる気は全くなく、さんさんと降り注ぐ太陽の日差しへのイライラも合間ってだらだらとホウキでゴミを掃いていた。
「掃除とかめんどくせー…」
なんで俺がこんな面倒臭いことしなきゃなんねえんだ…。
まだ作業を始めて間もないが、既にやる気はなくなっていたルークは項垂れながらため息をつく。
デッキは飛んできたゴミや土埃で意外と汚れやすい場所で、せっかく集めたごみも風が吹けば飛ばされる。地味に面倒な掃除場所だった。
くじ引きでこの場所を引き当ててしまったのは自分だが、絶対あれは陰謀だと思う。
なぜならそのくじ引きを作ったのはジェイドだったからだ。
あいつぜってー嵌めやがった!!
その中でルーを引き込めたのはまだ不幸中の幸いだった気がする。
そう、なけなしのやる気を振り絞っていると、先ほどまで窓ふきに夢中だったルーがルークに駆け寄ってくる。
「なぁなぁルーク」
「あ?なんだよ」
見ると、ルーは楽しそうな笑顔を浮かべていて、思わず首を傾げる。
ルーは持っていたスポンジをルークの前に見せびらかすように差し出すと、そのままスポンジをぐしゃぐしゃと握る。
すると、スポンジから泡が沢山出来ると、それは風に乗ってシャボン玉のように飛んでいく。
「すげーきれいじゃね?」
目を輝かせながら無邪気に笑うルーに、ルークは呆気にとられる。
…それの何が楽しいんだ?
そう思いつつ何度か目を瞬かせた後、無意識にルーが飛ばしたシャボン玉を目で追う。
確かにそれは光に当たりきらきらといろんな色に変えていて、思わず見入ってしまう。
そんなルークの反応を見たルーは嬉しくなって笑顔でどんどんシャボン玉を飛ばしていく。
夢中になっているルーの姿を横目で見るルークは優しい笑みを浮かべていた。
それから暫くしてルークの機嫌が戻ったのか、ぶつぶつと文句を言いつつもしっかりと掃除をこなし始めた。
手つきはルーと同じで器用ではないが、それでも真面目にこなす姿を見せる。
掃除が終わりピカピカになった状態をみて、二人は満足そうに笑みを浮かべたが、軽い疲労感から少し休憩することにした。
2人は壁に寄り掛かるように座り、そよそよと吹く風を浴びる。
なんだか気持ちいなぁ…。
そう思ったルーがふあっと欠伸をする。
すると同じタイミングがルークも欠伸をしていて、二人は思わず顔を見合わせ、そして笑った。
その後、暫くしてガイがルークの様子を見にデッキへと足を向けていた。
ルーと一緒らしいことを聞いていた為、あのルークもきっと掃除を投げ出さずにやっているだろうとは思ったのだが、元々ルークに対して心配性のガイはつい気になってしまい今に至る。
デッキに到着したガイだったが、見たところルーク達の姿が見えない。
あれ?と周囲を見渡すと、ふと壁際の方に朱いものが入り、そちらの方を見る。
そして次の瞬間、ガイの顔に思わず笑みが零れる。
その視線の先に、ルーとルーク、2人お互いに寄り掛かるように気持ちよさそうな顔で眠っていた。
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