なんてこった
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05-充実した生活
<雛未視点>
あの日、あの「嵐」のような挨拶が終わってから。
私は何の遠慮もなく、舞い込む仕事を片っ端から引き受け、寝る間を惜しんでカメラの前に立ち続けていた。
ハイブランドのファッション誌、街を彩る巨大な広告ポスター、地上波のCM、そして瑞々しさを切り取るグラビア撮影。
私のスケジュール帳は、呼吸をする隙間もないほど真っ黒に塗り潰され、目まぐるしい日々が過ぎていく。
何より有り難かったのは、五条家が「新居」として用意した都心のマンションだった。
事務所へのアクセスは抜群、セキュリティは完璧、広さも申し分ない。
(――これで、あの呪わしい家からは、完全に解放された)
皮肉なものだ。自由を縛っていた「血筋」を利用して、私は本当の自由を買い取ったのだ。
相変わらず、五条悟とは会っていない。
連絡もなければ、訪ねてくる気配もない。
まあ、体裁だけの結婚なのだから、そんなものだろう。
どうでもいい、と言い切ってしまえる程度には、私は満足していた。
ただ――。
撮影の合間や、ふとした静寂の中で。
(いつか、あの男の子を産まなければならない日が来るのかもしれない)
という呪術界の「義務」が、冷たい澱(おり)のように脳裏をかすめる。
けれど、それさえも今はまだ遠い未来の話だ。
もっともっと、唯一無二の存在として私の名前が売れたなら。
その頃には、五条の姓すら脱ぎ捨てて、自分の力だけで生きていくのも悪くない。
呼び慣れない自分の苗字を、寝る前の暗闇でそっと呟いてみる。
明日も、明後日も、私は私のために戦える。
それだけで、今は十分だった。
<雛未視点>
あの日、あの「嵐」のような挨拶が終わってから。
私は何の遠慮もなく、舞い込む仕事を片っ端から引き受け、寝る間を惜しんでカメラの前に立ち続けていた。
ハイブランドのファッション誌、街を彩る巨大な広告ポスター、地上波のCM、そして瑞々しさを切り取るグラビア撮影。
私のスケジュール帳は、呼吸をする隙間もないほど真っ黒に塗り潰され、目まぐるしい日々が過ぎていく。
何より有り難かったのは、五条家が「新居」として用意した都心のマンションだった。
事務所へのアクセスは抜群、セキュリティは完璧、広さも申し分ない。
(――これで、あの呪わしい家からは、完全に解放された)
皮肉なものだ。自由を縛っていた「血筋」を利用して、私は本当の自由を買い取ったのだ。
相変わらず、五条悟とは会っていない。
連絡もなければ、訪ねてくる気配もない。
まあ、体裁だけの結婚なのだから、そんなものだろう。
どうでもいい、と言い切ってしまえる程度には、私は満足していた。
ただ――。
撮影の合間や、ふとした静寂の中で。
(いつか、あの男の子を産まなければならない日が来るのかもしれない)
という呪術界の「義務」が、冷たい澱(おり)のように脳裏をかすめる。
けれど、それさえも今はまだ遠い未来の話だ。
もっともっと、唯一無二の存在として私の名前が売れたなら。
その頃には、五条の姓すら脱ぎ捨てて、自分の力だけで生きていくのも悪くない。
呼び慣れない自分の苗字を、寝る前の暗闇でそっと呟いてみる。
明日も、明後日も、私は私のために戦える。
それだけで、今は十分だった。
