眠る膝上、覚めぬ想い
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07-揶揄う声
廊下に、ふいに軽い足音が混じる。
「恵、足引っ張らなかった? 」
冗談交じりの間延びした声。
二人が同時に振り返ると、そこには腕を頭の後ろで組んだ五条悟が立っていた。
いつの間にいたのか分からない、相変わらずの距離感。
伏黒が眉をひそめる。
「……聞いてたんですか」
「そりゃあね。
報告終わりのいい空気、見逃すほど鈍くないよ」
にやにやとした視線が、伏黒から美鈴へと流れる。
「美鈴が一緒だったなら安心だけどさ〜。
恵、無茶してない?」
その言い方は冗談めいているが、
どこか本気で様子を探っているようでもあった。
美鈴は一瞬考えてから、いつも通りの穏やかな調子で答える。
「大丈夫でしたよ。
ちゃんと考えて動いてくれてました」
「へえ?」
五条の目が、少しだけ細くなる。
「庇おうとしたりとか?」
伏黒が一歩遅れて反応する。
「……」
沈黙。
美鈴は小さく笑った。
「それは、まあ……優しさ、ですね」
五条は一瞬だけ言葉を止め、それから楽しそうに笑う。
「はは。
恵、ポイント高いじゃん」
「からかわないでください」
伏黒は少しだけ耳を赤くしながら言い返す。
五条はそれを面白そうに眺めてから、美鈴の方へ身を屈める。
「でもさ〜、美鈴」
声が少しだけ低くなる。
「次はちゃんと俺にも報告してよ。
可愛い後輩が無茶してたら、教師として心配するから」
「はいはい」
美鈴は特に深く考えた様子もなく、あっさり返事をする。
「ちゃんと報告します」
その自然なやり取りに、伏黒は微妙な違和感を覚えたが、
それを口に出す前に五条はひらりと身を起こした。
「じゃ、お疲れ。
恵は今日はちゃんと復習ね〜」
軽く手を振って去っていく背中。
残された廊下に、また静けさが戻る。
伏黒は小さく息を吐いた。
「……いつも、ああなんですね」
「うん。いつもあんな感じ」
美鈴は苦笑しながら答える。
それでもどこか慣れきった様子で。
伏黒はその横顔を見て、
今日の任務とは別の“距離”の存在を、なんとなく察していた。
——五条悟は、
ただの教師以上に、美鈴を気にかけている。
そしてその事実は、
伏黒の中に小さな引っかかりを残したまま、胸の奥に沈んだ。
廊下に、ふいに軽い足音が混じる。
「恵、足引っ張らなかった? 」
冗談交じりの間延びした声。
二人が同時に振り返ると、そこには腕を頭の後ろで組んだ五条悟が立っていた。
いつの間にいたのか分からない、相変わらずの距離感。
伏黒が眉をひそめる。
「……聞いてたんですか」
「そりゃあね。
報告終わりのいい空気、見逃すほど鈍くないよ」
にやにやとした視線が、伏黒から美鈴へと流れる。
「美鈴が一緒だったなら安心だけどさ〜。
恵、無茶してない?」
その言い方は冗談めいているが、
どこか本気で様子を探っているようでもあった。
美鈴は一瞬考えてから、いつも通りの穏やかな調子で答える。
「大丈夫でしたよ。
ちゃんと考えて動いてくれてました」
「へえ?」
五条の目が、少しだけ細くなる。
「庇おうとしたりとか?」
伏黒が一歩遅れて反応する。
「……」
沈黙。
美鈴は小さく笑った。
「それは、まあ……優しさ、ですね」
五条は一瞬だけ言葉を止め、それから楽しそうに笑う。
「はは。
恵、ポイント高いじゃん」
「からかわないでください」
伏黒は少しだけ耳を赤くしながら言い返す。
五条はそれを面白そうに眺めてから、美鈴の方へ身を屈める。
「でもさ〜、美鈴」
声が少しだけ低くなる。
「次はちゃんと俺にも報告してよ。
可愛い後輩が無茶してたら、教師として心配するから」
「はいはい」
美鈴は特に深く考えた様子もなく、あっさり返事をする。
「ちゃんと報告します」
その自然なやり取りに、伏黒は微妙な違和感を覚えたが、
それを口に出す前に五条はひらりと身を起こした。
「じゃ、お疲れ。
恵は今日はちゃんと復習ね〜」
軽く手を振って去っていく背中。
残された廊下に、また静けさが戻る。
伏黒は小さく息を吐いた。
「……いつも、ああなんですね」
「うん。いつもあんな感じ」
美鈴は苦笑しながら答える。
それでもどこか慣れきった様子で。
伏黒はその横顔を見て、
今日の任務とは別の“距離”の存在を、なんとなく察していた。
——五条悟は、
ただの教師以上に、美鈴を気にかけている。
そしてその事実は、
伏黒の中に小さな引っかかりを残したまま、胸の奥に沈んだ。
