眠る膝上、覚めぬ想い
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03-芽生えた感情
騒がしい空気を切り裂くように、
真希たちの背後から、静かな怒気を孕んだ声が落ちた。
七海だった。
有無を言わせず五条の襟を掴み、ずるずると廊下へ引きずっていく。
「五条さん。仕事をしてください」
「えー、今いい感じだったのに」
「いい感じではありません」
淡々と切り捨てる七海に、真希が語気を強めた。
「教師として完全アウトだろ」
五条は渋々体を起こしながらも、美鈴へ一度だけ視線を向ける。
「美鈴が落ち着くからさ」
「免罪符のように名前を使わないでください」
七海はそう言ってから、美鈴へと向き直った。
「……それから、もう一件。
明日の任務ですが、単独任務から変更です」
七海は淡々と告げる。
「一年生の伏黒恵君とペアを組んでもらいます」
美鈴は一瞬だけ瞬きをした。
(一年生と……ペア)
珍しい配置だが、反対する理由はない。
「……了解しました」
廊下を進み、一年生の教室へ向かう。
引き戸の前で一度足を止め、軽くノックをした。
「恵くん」
振り返った伏黒の表情が、ほんのわずかに緩む。
「……美鈴先輩?」
その声音には、尊敬と少しの緊張が混じっていた。
伏黒の歩幅は、無意識のうちに美鈴に合わせられていた。
その事実に、本人だけが気づいていない。
「足手まといにはならないようにします」
その言葉に、美鈴は足を止めかける。
「大丈夫。
私が一年の頃、もっと酷かったから」
伏黒はわずかに目を見開いた。
――尊敬している先輩。
強くて、冷静で、完璧だと思っていた。
けれど今、
その人が向けてくる柔らかな視線に、
胸の奥が、ほんの少しだけざわついた。
「……よろしくお願いします」
「こちらこそ」
短い言葉のやり取り。
けれど伏黒の中には、この先何度も思い出すことになる感情の芽が、
確かに残っていた。
騒がしい空気を切り裂くように、
真希たちの背後から、静かな怒気を孕んだ声が落ちた。
七海だった。
有無を言わせず五条の襟を掴み、ずるずると廊下へ引きずっていく。
「五条さん。仕事をしてください」
「えー、今いい感じだったのに」
「いい感じではありません」
淡々と切り捨てる七海に、真希が語気を強めた。
「教師として完全アウトだろ」
五条は渋々体を起こしながらも、美鈴へ一度だけ視線を向ける。
「美鈴が落ち着くからさ」
「免罪符のように名前を使わないでください」
七海はそう言ってから、美鈴へと向き直った。
「……それから、もう一件。
明日の任務ですが、単独任務から変更です」
七海は淡々と告げる。
「一年生の伏黒恵君とペアを組んでもらいます」
美鈴は一瞬だけ瞬きをした。
(一年生と……ペア)
珍しい配置だが、反対する理由はない。
「……了解しました」
廊下を進み、一年生の教室へ向かう。
引き戸の前で一度足を止め、軽くノックをした。
「恵くん」
振り返った伏黒の表情が、ほんのわずかに緩む。
「……美鈴先輩?」
その声音には、尊敬と少しの緊張が混じっていた。
伏黒の歩幅は、無意識のうちに美鈴に合わせられていた。
その事実に、本人だけが気づいていない。
「足手まといにはならないようにします」
その言葉に、美鈴は足を止めかける。
「大丈夫。
私が一年の頃、もっと酷かったから」
伏黒はわずかに目を見開いた。
――尊敬している先輩。
強くて、冷静で、完璧だと思っていた。
けれど今、
その人が向けてくる柔らかな視線に、
胸の奥が、ほんの少しだけざわついた。
「……よろしくお願いします」
「こちらこそ」
短い言葉のやり取り。
けれど伏黒の中には、この先何度も思い出すことになる感情の芽が、
確かに残っていた。
