眠る膝上、覚めぬ想い
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28-それぞれの答えの先で
翌朝。
いつもと変わらない、穏やかな日常。
その中心で、五条悟が妙に楽しそうな声を張り上げる。
「名前は言わないけどさ~」
わざとらしく周囲を見回し、にやりと笑う。
「先生、婚約者できたので!
以後、先生への告白は禁止でお願いしま~す」
一瞬の沈黙。
「……は?」
「え、今なんて?」
ざわり、と空気が揺れた。
虎杖が目を丸くする。
「婚約者!? 五条先生結婚すんの!?」
パンダは腕を組み、じっと五条と美鈴を見比べてから、低く唸った。
「ほーう……なるほどね」
狗巻は小さく頷きながら、
「こんぶ」
と一言。
美鈴は隣で、少し呆れたように五条を見上げる。
けれどその表情は柔らかく、どこか照れが滲んでいた。
「もう……先生は本当に、ふざけてばかりで」
その声は、咎めるというより嗜めるようで。
真希と釘崎がすぐさま割り込む。
「いや、そもそも告白しねぇよ」
「“名前は言わないけど”って言ってる時点で答え出てるし」
釘崎は美鈴をちらりと見て、意味ありげに笑う。
「……ふ~ん。じゃあ、あの恋愛相談、ちゃんと役に立ったんだ」
「お、さすが釘崎。察しがいいね」
その瞬間、
少し離れた場所で話を聞いていた伏黒が、ゆっくりと視線を落とした。
(……やっぱり)
思っていたより、胸は騒がなかった。
それが、答えなのだと理解していた。
虎杖が伏黒の様子に気づき、小声で声をかける。
「伏黒、大丈夫か?」
伏黒は一瞬だけ黙り、そして小さく頷いた。
「……ああ。美鈴先輩、幸せそうだ」
それだけ言って、もう一度前を向く。
伏黒はほんのわずかに口元を緩めた。
その様子を、五条は何も言わずに見ていた。
そして一瞬だけ、伏黒と視線が合う。
五条は、軽く片手を上げる。
――ありがとう。
――あとは、任せろ。
そんな意味を含んだ、無言の合図。
伏黒は目を伏せ、小さく会釈した。
廊下には再び、いつもの喧騒が戻る。
まだ誰も、二人の関係を正確には知らない。
教師と生徒。
先輩と先生。
曖昧な立場のまま、それでも。
五条悟と鷲尾美鈴はもう、
言葉にしなくても同じ未来を思い描いていた。
それぞれが選び、迷い、遠回りした末に辿り着いた答え。
――そしてその答えは、
今日も変わらない日常の中で、静かに続いていく。
翌朝。
いつもと変わらない、穏やかな日常。
その中心で、五条悟が妙に楽しそうな声を張り上げる。
「名前は言わないけどさ~」
わざとらしく周囲を見回し、にやりと笑う。
「先生、婚約者できたので!
以後、先生への告白は禁止でお願いしま~す」
一瞬の沈黙。
「……は?」
「え、今なんて?」
ざわり、と空気が揺れた。
虎杖が目を丸くする。
「婚約者!? 五条先生結婚すんの!?」
パンダは腕を組み、じっと五条と美鈴を見比べてから、低く唸った。
「ほーう……なるほどね」
狗巻は小さく頷きながら、
「こんぶ」
と一言。
美鈴は隣で、少し呆れたように五条を見上げる。
けれどその表情は柔らかく、どこか照れが滲んでいた。
「もう……先生は本当に、ふざけてばかりで」
その声は、咎めるというより嗜めるようで。
真希と釘崎がすぐさま割り込む。
「いや、そもそも告白しねぇよ」
「“名前は言わないけど”って言ってる時点で答え出てるし」
釘崎は美鈴をちらりと見て、意味ありげに笑う。
「……ふ~ん。じゃあ、あの恋愛相談、ちゃんと役に立ったんだ」
「お、さすが釘崎。察しがいいね」
その瞬間、
少し離れた場所で話を聞いていた伏黒が、ゆっくりと視線を落とした。
(……やっぱり)
思っていたより、胸は騒がなかった。
それが、答えなのだと理解していた。
虎杖が伏黒の様子に気づき、小声で声をかける。
「伏黒、大丈夫か?」
伏黒は一瞬だけ黙り、そして小さく頷いた。
「……ああ。美鈴先輩、幸せそうだ」
それだけ言って、もう一度前を向く。
伏黒はほんのわずかに口元を緩めた。
その様子を、五条は何も言わずに見ていた。
そして一瞬だけ、伏黒と視線が合う。
五条は、軽く片手を上げる。
――ありがとう。
――あとは、任せろ。
そんな意味を含んだ、無言の合図。
伏黒は目を伏せ、小さく会釈した。
廊下には再び、いつもの喧騒が戻る。
まだ誰も、二人の関係を正確には知らない。
教師と生徒。
先輩と先生。
曖昧な立場のまま、それでも。
五条悟と鷲尾美鈴はもう、
言葉にしなくても同じ未来を思い描いていた。
それぞれが選び、迷い、遠回りした末に辿り着いた答え。
――そしてその答えは、
今日も変わらない日常の中で、静かに続いていく。
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