眠る膝上、覚めぬ想い
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21-あからさまな態度
会議が中盤に差し掛かった頃。
会議室のドアが、控えめに——本当に控えめに、こんこんとノックされた。
「……失礼します」
申し訳なさそうに顔を出したのは、補助監督の伊地知だった。
「申し訳ございません。美鈴さん、少しよろしいでしょうか……?」
おずおずと視線を向けた、その先。
——美鈴を膝に乗せた五条と、ばっちり目が合う。
一瞬。
空気が、凍る。
言葉にしなくても分かる。
五条の目には、はっきりとこう書いてあった。
(殺す)
伊地知は反射的に背筋を伸ばし、半歩引く。
「……っ」
だが、その殺気を生む原因の当人——美鈴は、
「は~い」
と、気の抜けるような返事をした。
そして何のためらいもなく、
すっと五条の膝から降りる。
「すぐ戻りますね」
そう穏やかに言って、そのまま伊地知と一緒に会議室を出て行った。
ぱたん。
ドアが閉まる。
残された会議室。
五条は、閉じたドアを——
まるでそこに美鈴の残像でも焼き付けるかのように、じっと見つめていた。
数秒。
そして、ふうっと息を吐き。
「え~……じゃあさ」
急に、心底つまらなそうな声。
「もう後、決めることあったっけ?」
露骨にもほどがある。
「うわ、出たよ」
真希が即座に言い、
「分かりやすすぎだろ」
パンダが肩をすくめる。
七海は、ため息すらつかずに眼鏡を押し上げた。
「五条さん」
静かで、切れ味のある声。
「美鈴さんがいなくなったからといって、会議をやめようとしないでください」
「え~」
「まだ、当日の役割分担が残っています」
「……ちぇ」
明らかに不機嫌そうに舌打ちしながらも、五条は椅子に座り直す。
その後。
美鈴が戻ってくることはなかった。
伊地知の用件は長引いたらしく、
会議はそのまま、美鈴不在で進み——
そして終わった。
会議室を出ながら、釘崎が小さく言う。
釘崎
「先生、あれもう好きとかの次元じゃないでしょ」
真希
「独占欲だな。しかも隠す気ゼロ」
少し離れたところで、伏黒は無言のまま歩きながら、
頭の中で会議内容とは別のことを反芻していた。
(全く隠す気のない独占欲……)
(——美鈴先輩は先生のことどう思ってるんだ)
そんな鈍い痛みだけが、胸に残っていた。
会議が中盤に差し掛かった頃。
会議室のドアが、控えめに——本当に控えめに、こんこんとノックされた。
「……失礼します」
申し訳なさそうに顔を出したのは、補助監督の伊地知だった。
「申し訳ございません。美鈴さん、少しよろしいでしょうか……?」
おずおずと視線を向けた、その先。
——美鈴を膝に乗せた五条と、ばっちり目が合う。
一瞬。
空気が、凍る。
言葉にしなくても分かる。
五条の目には、はっきりとこう書いてあった。
(殺す)
伊地知は反射的に背筋を伸ばし、半歩引く。
「……っ」
だが、その殺気を生む原因の当人——美鈴は、
「は~い」
と、気の抜けるような返事をした。
そして何のためらいもなく、
すっと五条の膝から降りる。
「すぐ戻りますね」
そう穏やかに言って、そのまま伊地知と一緒に会議室を出て行った。
ぱたん。
ドアが閉まる。
残された会議室。
五条は、閉じたドアを——
まるでそこに美鈴の残像でも焼き付けるかのように、じっと見つめていた。
数秒。
そして、ふうっと息を吐き。
「え~……じゃあさ」
急に、心底つまらなそうな声。
「もう後、決めることあったっけ?」
露骨にもほどがある。
「うわ、出たよ」
真希が即座に言い、
「分かりやすすぎだろ」
パンダが肩をすくめる。
七海は、ため息すらつかずに眼鏡を押し上げた。
「五条さん」
静かで、切れ味のある声。
「美鈴さんがいなくなったからといって、会議をやめようとしないでください」
「え~」
「まだ、当日の役割分担が残っています」
「……ちぇ」
明らかに不機嫌そうに舌打ちしながらも、五条は椅子に座り直す。
その後。
美鈴が戻ってくることはなかった。
伊地知の用件は長引いたらしく、
会議はそのまま、美鈴不在で進み——
そして終わった。
会議室を出ながら、釘崎が小さく言う。
釘崎
「先生、あれもう好きとかの次元じゃないでしょ」
真希
「独占欲だな。しかも隠す気ゼロ」
少し離れたところで、伏黒は無言のまま歩きながら、
頭の中で会議内容とは別のことを反芻していた。
(全く隠す気のない独占欲……)
(——美鈴先輩は先生のことどう思ってるんだ)
そんな鈍い痛みだけが、胸に残っていた。
