眠る膝上、覚めぬ想い
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18-恋バナの延長線
その日の夕方。
授業が終わり、生徒たちがそれぞれ寮や談話室へ散っていく時間帯。
校舎の渡り廊下で、真希と釘崎は並んで歩いていた。
「……なあ」
釘崎が、前を見たまま口を開く。
「さっきの五条先生、ガチだったよね」
「今さら?」
真希は即答する。
「いつもの“からかい半分”とは違う。
あれはもう覚悟決め始めてる顔だ」
釘崎は腕を組み、少し考える。
「でもさ、美鈴先輩は?」
「そこが問題だな」
真希は立ち止まり、視線を前方へ向ける。
少し先の廊下――
美鈴が資料を抱えながら歩いてくる。
その横には、いつの間にか並んでいる五条。
距離は近い。
近いけど、不自然じゃない。
五条は何か楽しそうに話していて、
美鈴はいつも通り、穏やかに相槌を打っている。
「……ほら」
真希が小さく顎で示す。
「もう隠す気ない」
釘崎は目を細める。
「五条先生、完全に“隣が定位置”になってるじゃん」
「美鈴が拒まないのもな」
「それが一番怖いんだけど」
二人は物陰に寄り、自然にやり過ごす。
すれ違いざま、五条が気づいて軽く手を振った。
「お、二人ともお疲れ~」
「……お疲れ様です」
釘崎が返し、真希は軽く会釈する。
美鈴も気づいて微笑む。
「お疲れ様。もう戻るの?」
「はい」
短いやり取り。
五条はそのまま、当然のように美鈴の隣に居続ける。
二人の背中が遠ざかってから、釘崎が息を吐いた。
「……ねえ」
「ん?」
「これ、もう時間の問題じゃない?」
真希は即答しなかった。
少しだけ考えてから、静かに言う。
「うん」
「美鈴は無自覚だし、
五条先生は我慢してるつもりで我慢できてない」
釘崎は肩をすくめる。
「一番最後まで気づかないの本人ってやつ?」
「そう」
真希は鼻で笑う。
「外堀はもう埋まってる」
釘崎が少しだけ声を落とす。
「……大丈夫かな」
「何が?」
「美鈴先輩」
真希は少しだけ表情を和らげた。
「大丈夫だろ」
「五条悟が本気になった時点で、
逃げ道なんて最初から用意されてない」
釘崎は一瞬驚いて、それから苦笑する。
「重」
「今さらだ」
二人は歩き出す。
夕暮れの校舎に、足音だけが響く。
釘崎が最後にぽつり。
「……まあ」
「うん?」
「悪い感じはしないけどね」
真希は少しだけ口角を上げた。
「同感」
その頃――
少し離れた場所で、美鈴は五条の話を聞きながら、いつも通り穏やかに笑っていた。
自分が、
どれだけ“囲まれているか”も知らずに。
その日の夕方。
授業が終わり、生徒たちがそれぞれ寮や談話室へ散っていく時間帯。
校舎の渡り廊下で、真希と釘崎は並んで歩いていた。
「……なあ」
釘崎が、前を見たまま口を開く。
「さっきの五条先生、ガチだったよね」
「今さら?」
真希は即答する。
「いつもの“からかい半分”とは違う。
あれはもう覚悟決め始めてる顔だ」
釘崎は腕を組み、少し考える。
「でもさ、美鈴先輩は?」
「そこが問題だな」
真希は立ち止まり、視線を前方へ向ける。
少し先の廊下――
美鈴が資料を抱えながら歩いてくる。
その横には、いつの間にか並んでいる五条。
距離は近い。
近いけど、不自然じゃない。
五条は何か楽しそうに話していて、
美鈴はいつも通り、穏やかに相槌を打っている。
「……ほら」
真希が小さく顎で示す。
「もう隠す気ない」
釘崎は目を細める。
「五条先生、完全に“隣が定位置”になってるじゃん」
「美鈴が拒まないのもな」
「それが一番怖いんだけど」
二人は物陰に寄り、自然にやり過ごす。
すれ違いざま、五条が気づいて軽く手を振った。
「お、二人ともお疲れ~」
「……お疲れ様です」
釘崎が返し、真希は軽く会釈する。
美鈴も気づいて微笑む。
「お疲れ様。もう戻るの?」
「はい」
短いやり取り。
五条はそのまま、当然のように美鈴の隣に居続ける。
二人の背中が遠ざかってから、釘崎が息を吐いた。
「……ねえ」
「ん?」
「これ、もう時間の問題じゃない?」
真希は即答しなかった。
少しだけ考えてから、静かに言う。
「うん」
「美鈴は無自覚だし、
五条先生は我慢してるつもりで我慢できてない」
釘崎は肩をすくめる。
「一番最後まで気づかないの本人ってやつ?」
「そう」
真希は鼻で笑う。
「外堀はもう埋まってる」
釘崎が少しだけ声を落とす。
「……大丈夫かな」
「何が?」
「美鈴先輩」
真希は少しだけ表情を和らげた。
「大丈夫だろ」
「五条悟が本気になった時点で、
逃げ道なんて最初から用意されてない」
釘崎は一瞬驚いて、それから苦笑する。
「重」
「今さらだ」
二人は歩き出す。
夕暮れの校舎に、足音だけが響く。
釘崎が最後にぽつり。
「……まあ」
「うん?」
「悪い感じはしないけどね」
真希は少しだけ口角を上げた。
「同感」
その頃――
少し離れた場所で、美鈴は五条の話を聞きながら、いつも通り穏やかに笑っていた。
自分が、
どれだけ“囲まれているか”も知らずに。
