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弟の主張。小動物が聞いてみた。


ーー突撃インタビュー!!

ーー本日はギルド『ステラツィオ』のシグ君にお話を伺います!よろしくお願いします!
「…よろしく…?」


ーーではまず名前と種族、職業をどうぞ!
「…シグ。本名、エトワール・シグマ。セリアン族。職業クラスはショーグン、サブでガンナー。」

ーー外見はハウンドのようですが?
「似合うから、以上の意味はない」


「…というかこれは知ってることでしょ。何でこんなことしてるのカーバンク」
ーーあーはいはい!ボクはただのモブだから!視聴者代表だから!間違えないでね!!
「ぇ、ぁ、ハイ…;」


「で、インタビューって何が聞きたいの?」
ーーお題は【身内のことをどう思っているのか】!これを通じてシグ君のことを教えて欲しいんだ!
「だからそれは知っ」
ーーではでは質問スタート!!



ーーまずはアミティさんについて!どう思っていますか?
「あ、それはもうアレだ。」


「結婚したい。ていうか結婚する。むしろしてる。」
ーーアッハイ。


「…一緒に住んでるし…」
ーー立場上は義姉弟だから当然ですよ。
「ぅぐ」

「大体あのクソ兄貴がやたらにアミティ可愛がるからアミティは未だに『お兄ちゃん子』だし姉様も」
ーーああっとぉ脱線し始めてますよ!ほら戻して戻して!

ーーともかく、アミティさんのことは大好きなんですね。
「好きって言うかもう愛して」
ーーそれはもういいです。では好きになったのはいつ?


「…
…いつだったかな… 」

ーー思い出せないくらい前って事です?
「いや、それもあるけど…」


「僕の【世界】が始まったのは、姉様が名前をくれた時。それまでの記憶は曖昧で…辛かったことだけは覚えてるんだけど。」

「それで濁っていた世界がはっきり見えるようになってから、『アミティを好きになった瞬間』って…無い、ような…?」


ーー…そうなんですね。


(…あの日、シグを最初に見つけたのはボクとアミティ。アルルが名付ける前としたら…)


ーーじゃあ一目惚れなんですかね。
「ん?んー…うん。多分そう。」

ーーなるほどなるほど!では次の質問です!



ーーアルルさんについて、どう思っていますか?
「姉様…姉様はもうなんというか、」


「 女神なんじゃないかな… 」
ーー何言ってんだこいつ。


「いや、アミティが天使より可愛いからもう女神だから、姉様は…神を超えたナニカなんじゃ…」
ーーホント何言ってんだこいつ!!


ーーさてはシスコンですね?
「否定はしないけど」
ーーしないんだ…

「でも好きっていうよりは…」


「【絶対的な信頼】…?
『何があっても姉様は絶対に味方』だから…」
ーーほう。と、言うと?


「なんというか…何をしても許される訳じゃないけど、ちゃんと言い分を聞いてくれるし、悪いことだったらちゃんと叱ってくれるし、怒られることも勿論あるんだけど…」


「それでも…僕を想ってくれて言っているのが、分かるから…」


「1番苦しかったとき、助け出してくれたのは姉様だった。そのとき姉様は、僕の『姉様』になったんだ。」

ーー…アルルさんが付けてくれた今の名前は、好きですか?

「勿論。」

ーーふふっ、それは何よりですね!では最後の質問です。



ーーシェゾさんについてですが
「あいつに言うことは無い」

ーーは、いや、あの…

「むしろ文句しかない」
ーーどっちですか。


「あのクソ兄貴…姉様を独り占めするならまだしも(夫婦だから)、アミティに構いすぎ。」
ーーシェゾさん妹溺愛してますもんね…

「いや、あれはもうアウトだろう」
ーーはい?

「だって僕らもう16才だよ?!あの密着度はオカシイだろ!!」
ーーえー…ぁー…ぅん、まぁ、確かに…


ーーアミティさんの外見が幼女(種族:ブラ二ー)なので違和感は無いんですがね…

「よく抱っこして歩いてるし」
ーー足のコンパスが違いますからねぇ
「膝に乗せて愛でてるし」
ーー……、(…これは…)


ーー(『子供扱い』と『女性扱い』の差なのでは……)
「いつもそんなだからアミティもそれが当たり前みたいになってるし…」

ーーまぁ、それで気に食わない、と。
「全く…あの残念シスコン兄貴め…」
ーーそれは君も人の事言えない気もするけど。それにしても…


ーー悪態つきますねぇ…呼び方は『兄貴』で固定ですか?
「正確には『クソ兄貴』」
ーーほぼ暴言で容赦なしですか。


ーーいつか大喧嘩して家飛び出さないで下さいよ?まぁシグ君を追い出すなんてことは絶対にありえないんですけどね!
「………まぁ、別に、あいつのことも、」
ーーん?


「…嫌い、じゃ、ないんだよ…」

(だって、)


(どんなに暴言吐いても)



(僕の事、投げ出さなかった)



ーー…ん、ん?ちょっとよく聞こえませんでした…
「っ、何でもない!」
ーーそ、そうですか?

ーーでももし万が一、追い出されそうになったらボクがあいつをひっぱたいてやるからね!安心してくださいね!
「ぁ、ありがと…でも多分ないと思う…」
ーーふふっ!そうだね!





〜〜〜〜〜〜


ーーって、言ってたよ?

「へー。…で、なんで突然インタビューなんかしたんだ?」
ーーそこはまぁおいといて。


ーーで、シェゾさんから見てシグ君はどうですか?
「え、これ続いてんのか?うーん、そうだなぁ…」


「…あいつ、戦闘狂だよな。」

ーーそれは、まぁ。
「いや、というより…」

「戦闘脳…か。生き延びるために身につけたって感じだ。実際うちに来るまでのあいつの周りは…殺伐としていたらしいし。」

ーー……。

「アルルとアミティが居てくれて良かった。二人のおかげで、あいつも笑えるようになったし…心の傷は、確実に癒えてきている筈。」


ーー…シグ君をどう思っていますか?
「家族だな」
ーー大事に思ってますか?
「それはもう」
ーー頼りになりますか?
「お前もそう思うだろ?」




「うちの弟は格好いいだろ?」




〜〜〜〜〜〜


ーーうん。ちょっと、ずっと気になってたけど…

ーー大丈夫みたいだね。

ーー聞けて良かった!


ーーでも、



「シグの1番の相棒の座は、譲らないよっ!」


〜〜〜〜〜〜


ーーところで、アルルさんが『姉様』で、シェゾさんが『クソ兄貴』…ちょっと差がありすぎですかね…統一する気は?
「今更ない!」


「絶対、『兄様』なんて呼んでやるもんか!」


〜〜〜〜〜〜


「たまには道化を演じてみるのも、

悪くないかもね♪」




- end -

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