【ステ/ラ/ツ/ィオものがたり】(ちょっと考えた妄想)
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「なぁ、」
「何?」
「なんでお前、オレに付いてくるんだ?」
「言ったでしょう?『必要な事』だからだよ。
いいじゃん、ボク便利でしょ?
『転送』とか、術とかも」
「それが解せないんだよ。
『記憶を引き継いで過去に戻れる』って何だそれ」
「便利なものは何でも使えばいいのに。
いちいち意味を見出してたらキリないよ?」
「つまり深追いされると困るんだな?」
「考えすぎじゃん?
でもコレのおかげで樹海で多少無理しても大丈夫になったんだし」
「こんなこと出来るとか、お前何者だよ…」
「見た目どおりの小動物だよ。ぷりてぃでしょ?どやぁ」
「ドヤ顔やめろ。」
『スコーピオは臆病で、
いっつも自分の影見てた。
今日こそ影に、背を向けよう。
坂道どんどんのぼっていった』
「…これは、必要なこと、なんだよ。
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「…だぁれ?」
「ボクはカーバンクル。一応冒険者してる」
「冒険者さん?…ボクを倒すの?」
「…その
キミは、魔物?」
… … !
「あ、仲間が呼んでる」
「行っちゃうの?」
「…うん。また来るよ。
今度はもっとおしゃべりしよう?
仲間もきっと、キミのこと気に入るから」
ーーー
「…アルル?」
「…シェゾ、あのね…あの、ね…
シェゾと、一緒に行きたいの…ダメかなぁ…?」
『夕日が海に沈む岬、
ヴァルゴは一人で呟いた。
私の望みはただ一つ。
あなたと今をすごしたい…』
「これもきっと必然なんだ。
…キミもそう感じたんでしょ?
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「『ユーリ・アミティリア』
今日からお前は、『アミティ』、だ」
「あみ…てぃ… …ゆーり? ゆー、りえ?」
「そうだ。オレの名前を分けてやる。
…名前ってな、最強の御守りなんだよ。
これからはこの『ユーリ』の名前が、お前を守ってくれる」
「ゆーりは、だいじななまえ…
あたしは…『あみてぃ』…?」
「そうだ。ちゃんと分かったな?
…アミティは頭がいいな」
「えへへ…あたしの、なまえ、」
「忘れた記憶はそのままでもいい…
これからはオレとアルルがお前の親だ。
そうだな…【兄】とでも呼んでみるか?」
「うん、
…『お兄ちゃん』『お姉ちゃん』」
ーーー
「シェゾ…ボクも、いいの?」
「ああ……オレだけじゃ、ダメなんだ…
アルル… 助けて、くれるか…?」
「…もちろんだよ」
「ごめんな、こんな形になって…」
「ううん、嬉しい。ありがとう…
これからも、よろしくね?」
ーーー
「ユーリ・アミティリア…」
「“アミティ”は『友情』」
「“ユーリ”は『見つける』」
「…もう寂しくならないように、願いが込められている…そして…」
「“ティリア”…『ボダイジュ』『黄色い夏の花』、花言葉は…【夫婦愛】」
「シェゾは、本気で親になるつもりなんだね。アルルと、一緒に…」
『昨日も明日もわからぬけれど、
ヴァルゴとスコーピオ、キスをした。
今この夕焼けが2人のすべて』
「いい名前を貰ったね。
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「シェゾは世話焼きさんだねぇ…
そこも好きだけど」
「なんか放っておけなかったんだよ…
…アルル…あいつの、あの腕は…」
「うん…あんなにボロボロになった原因なのは間違いないね…
あれは、きっと…」
ーーー
「貴女は…僕が怖くないの…?」
「うん。キミのその腕は、[[rb:竜 > ドラゴン]]のもの、だね?
ボクには分かるんだ…
ほら、ボクも…キミの仲間だから…」
「…蔦…? 貴女は…植物の、魔物?」
「ね。ボクは、キミの、“仲間”だよ。
ボクはアルル・ステラ。キミの名前を教えて?」
「…僕の名前に、意味なんてない。
畏怖以外のものが、込められていないから」
「…そう…
…じゃあ、ボクの名前を分けてあげる。
名前はね、最強の『御守り』になるんだよ」
ーーー
「…“兄貴”、」
「ん?どうした?」
「…なんでもない」
「…。シグ」
「、ぁ、何?」
「…名前、慣れないか?」
「…姉様がくれたこの名前は、気に入ってるし大事にするつもり。
まだ、少し、慣れてないだけ…」
「そうか。まぁそのうち慣れるだろ。」
「…」
(【兄貴】と呼べば、あいつは必ず反応する)
(試すように、何度呼んでも、必ず…)
ーー家族になろう?ーー
(…姉様…
…『家族』… そうか、家族、か…)
『パイシーズはいいました。
つづきはあいつが知ってるさ。
さきにいきなよ、あいつの所に。
ヴァルゴの選んだあいつの所に。』
「
…遅くなってごめんね…」
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「…おかしいと思ったんだ」
「“結末”が先に来るなんて、」
「見つけられなかった、ボクのせいだ」
「そのせいで、失いかけた…」
「………」
「…」
ーーー
「カーくーん」
「…?…アミティ。なぁに?」
「あのね、シグの名前のね、意味を教えて欲しいの」
「あれ?アルルから聞いてないの?」
「うん…シグの怪我の方が心配で、聞きそびれてたの…。
お姉ちゃんが付けたんでしょ?
あたしみたいに『おまもり』なのかな?」
「そうみたいだよ。」
「エトワール・シグマ」
「“エトワール”は“ステラ”と同じで
『星』って意味」
「“シグマ”は総和記号『
「そーわ…?」
「簡単にいえば、“シグマ”は『繰り返し』
『星の数だけ、繰り返す』…
【ずっと一緒にいよう】って意味だよ」
「わぁ!すてき!
そっかー…ずっといっしょ…」
ーーー
「アミティ?」
「シグ。あのね…」
「?」
「ずっと一緒にいようね、『エト』」
「…!…もちろんだよ、『ユーリ』」
ーーー
「…ともかく、これで揃った。」
ーー
ーー
ーー
ーー
「…現存する『ステラツィオ』は、5つ」
「主役である乙女座、
乙女座の相手である蠍座、
物語を導く魚座、
結末を描く蛇遣座…」
「これらが揃っているのは…偶然ではないはず…」
「ボクはジェミニみたいに
【傍観者】にはならないから」
ーー
「…ボクのこの『チカラ』は、恐らく…
世界樹へと導くモノ」
「だったら、」
「見届けようじゃないか」
『ジェミニは小川で考えた。
ここから素敵な唄をおくろう。
どこにいるのかわからない。
けれども君に届くといいな。』
「Happy End じゃないと、許さないから」
-end-
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